米国と香港で上場しているシャオペンの株価は、7月26日にニューヨーク市場の時間外取引で40%急騰した後、27日朝の香港市場でも30%以上値上がりした。この急騰は、フォルクスワーゲン(VW)がシャオペンに7億ドル(約980億円)を出資し、同社株式4.99%を取得すると発表したことを受けてのものだ。これを機に、VWはシャオペンの取締役会にオブザーバーを派遣する。
これまでヒーは苦境に立たされていたが、今回の株価急騰で彼の資産は34億ドルに達し、2カ月前から2倍以上に増えた。
投資家は、VWによる出資がシャオペンの優れた技術力を証明するものだと捉えており、同社の成長性を再評価している。VWとシャオペンは、2種類のEVを共同開発する計画で、2026年に世界最大の自動車市場である中国で発売する予定だ。アナリストらは、シャオペンが自動運転とスマートコックピットのソフトウェアをVWに供給すると予想している。VWは、ソフトウェア開発を手がける子会社「Cariad」の事業を軌道に乗せることに苦労している。一方、シャオペンはVWに技術をライセンス供与することで収益を得ることができる。
VWは、Cariadの予算未達やたび重なる開発遅延を受け、同社の経営陣を刷新した。さらに、VWの第2四半期決算は市場予想を下回った。同社は、その要因として最重要市場の1つである中国での競争激化を挙げている。
今回の発表について、上海のコンサルタント会社オートモーティブ・フォーサイト(Automotive Foresight)のイェール・チャンは次のように述べている。「これは両社にとって間違いなくWinWinな提携だ。シャオペンは研究開発の資金が必要で、VWにはインテリジェントなEVプラットフォームが不足している」
シャオペンの会長で現在45歳のヒーは、自身のウェイボー(微博)アカウントにVWの中国担当取締役であるラルフ・ブランドシュテッター(Ralf Brandstätter)と撮った写真を投稿し「最高の技術、製品、ブランドを世界に提供することを楽しみにしている」と述べた。