アジア

2023.08.02 11:30

VWから7億ドル調達で復活目指す中国EVメーカー「シャオペン」

テスラとの価格競争

今回の発表は、下半期にシャオペンの業績が回復の兆しを見せはじめた矢先に行われた。新たな野心を抱くヒーは、年内に世界展開を再開する可能性もある。シャオペンは、テスラが仕かけた熾烈な価格競争により販売台数が減少した。これを受け、同社は利益を犠牲にして最新SUV「G6」のベースモデルを2万9000ドルに設定した。

テスラで最も人気の高いモデルYと比べると、価格は安く、自動運転機能は同等に優れている。スマートカルマ(Smartkarma)のプラットフォームで公表されたブルー・ロータス・リサーチ・インスティテュート(Blue Lotus Research Institute)のレポートによると、G6の納車は7月中旬に始まったばかりであり、販売台数は9月が最大7000台、10月は9000台になる見込みだという。

「通常、新モデルの生産とサプライチェーンの増強には3カ月以上を要するため、G6は第3四半期も生産能力の増強を図る過程にあると思われる」とブルー・ロータスは書いている。

それでも、シャオペンにとってG6の販売は業績に好影響をもたらすだろう。中国が新型コロナ規制の大半を解除した後も、同社の第1四半期の納車台数は前四半期から18%減って1万8320台だった。オートモーティブ・フォーサイトのチャンは、G6が競争力のある価格設定と先進技術によって下半期にヒットする可能性があると考えている。

「G6は自動運転技術が大幅に改善されたことでトップセラーになるかもしれない。業界全体も、VWもG6の改善を見ている。このことが、VWが出資を決めた理由かもしれない」とチャンは述べた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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