同社がAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)への追加を発表したツールの「HealthScribe(ヘルススクライブ)」は、医師による時間のかかる文書作成プロセスを廃止し、患者との会話からテキストを書き起こし、病気の経緯やその他の重要なポイントを含む要約を作成するものだ。
アマゾンは、他のハイテク大手に続いて生成AIを医療分野で活用しようとしている。マイクロソフトは2021年に、医療分野に強みを持つAI企業のニュアンスを買収し、グーグルはMed-PaLMと呼ばれる医師向けの大規模言語モデル(LLM)を開発している。
ニュアンスとマイクロソフトは3月に、医療ドキュメントの作成を自動化するAIツールを開発したと発表した。このツールは、医師との会話を書き起こして要約するもので、アマゾンのヘルススクライブに極めてよく似た機能を備えている。
ヘルススクライブは、すでに3Mヘルスインフォメーション・システムズやバビロン・ヘルス、スクライブEMRなどの医療分野の大手から関心を集めているとブルームバーグは報じている。
アマゾンは、患者固有のインプットとアウトプットを、このツールのトレーニングに使用せず、医療プロバイダーは、彼らの用途に適した独自の言語モデルをトレーニングする必要があると述べている。
アマゾンは昨年、会員制診療サービスを手がけるワン・メディカルの買収を発表し、ヘルスケア分野での足場を拡大した。ワン・メディカルは、患者がオンラインでヘルスケアにアクセスでき、米国内の125カ所以上の診療所の予約を取ることができるサービスだ。
アマゾンは2018年にオンライン薬局のPillPack(ピルパック)を10億ドルで買収し、アマゾン・ファーマシーとしてリブランディングした。一方、2019年に立ち上げたワン・メディカルと同様のサービスを提供するアマゾン・ケアを2022年末に閉鎖し、バークシャー・ハサウェイとJPモルガンと始めたベンチャー企業Haven(ヘイブン)も2021年に事業を終了した。
アマゾンは昨年、在宅医療サービスを提供するSignify Health(シグニファイ・ヘルス)の買収をめぐる入札競争でCVSに敗れていた。
(forbes.com 原文)