同行のマルコ・コラノビッチが率いるストラテジストは、顧客向けメモの中で、歴史的な投資家のセンチメントの高まりにも関わらず、今後の株式市場の弱気な見通しを示している。
彼らは、直近のハイテク大手を中心とした株価の上昇が「AI主導のバブル」を示しており、このテクノロジーをめぐるハイプ(誇大宣伝)が、AIが実質的にもたらす収益の増大ではなく「基本的な質問に正解できないチャットボットの普及」によって引き起こされたと指摘した。
JPモルガンは、金利の上昇や個人貯蓄の減少、世界の地政学的対立の影響といった2022年の株式市場を過去10年で最悪の状況に追い込んだ要因の再評価が進むにつれて、市場が幅広く下落するだろうと予測した。
今年の年初からのS&P500種株価指数の20%近い上昇は、エヌビディアやアルファベット、マイクロソフトといったAIのトップ企業の総額1兆9000億ドル(約268兆円)もの時価総額の上昇による部分が大きい。
デビッド・コスティン率いるゴールドマン・サックスのアナリストは、21日のメモで、株価の上昇が狭い範囲に集中していることから、今後は残りの銘柄の間で、より広範な上昇が起こる可能性があると指摘した。アルファベットやアップル、アマゾン、マイクロソフト、メタ、エヌビディア、テスラを除く493銘柄のS&P 500構成銘柄のPER(株価収益率)が現在の17倍から19倍に上昇すれば、S&Pは史上最高値に上昇すると彼らは予想した。
JPモルガンのコラノビッチは、現状ではコモディティが過小評価されており、魅力的なエントリーポイントになっていると指摘した。今週は米連邦準備制度理事会(FRB)が26日に追加利上げの可否を明らかにし、アルファベットとマイクロソフトが25日午後に決算を発表するなど、経済関連の大きな動きが目白押しとなっている。
(forbes.com 原文)