欧州

2023.07.17 23:00

クリミア橋で爆発、ウクライナが無人艇で攻撃か ロシア軍の補給に影響も

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(Getty Images)

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ「クリミア橋」で17日、爆発があったと相次いで報じられ、通行止めの措置がとられた。ウクライナメディアのRBCウクライナは同国保安局(SBU)筋の情報として、ウクライナ海軍と情報機関による「水上ドローン(無人艇)」攻撃だったと伝えている。

戦略的に重要であるクリミア橋は昨年10月にも、ウクライナ軍による攻撃で損傷していた。

ロシアが「クリミア共和国」の首長に据えたセルゲイ・アクショーノフは通信アプリ「テレグラム」に、通行止めは「緊急事態」が発生したためと説明し、法執行機関が捜査に着手したと明らかにした。

その後の投稿では、クリミアの住民に対し、「安全上の理由」からクリミア橋を通るのは避け、ほかのルートを選ぶよう呼びかけた。

ウクライナのジャーナリストらは、橋の一部が大きく損傷した様子とされる画像をツイッターで共有している。AP通信によると、ロシア側当局は男女2人が死亡し、その娘が負傷したと発表した。

クリミア橋はロシアによるウクライナ全面侵攻の前までは、クリミア半島とロシア本土を結ぶ自動車道や鉄道路線としては唯一のものだった。クリミア併合後は、ロシアにとって戦略上だけでなく支配の象徴としても重要な意味をもっている。

クリミア橋は昨年10月、大きな爆発によって激しく損傷。ロシア政府はウクライナ特殊部隊によるものと断じ、ウラジーミル・プーチン大統領は「テロ行為」と主張した。

ウクライナ側は当初、関与を直接には認めていなかったが、ハンナ・マリャル国防次官は今月、「ロシアの兵站を寸断するための最初の攻撃」だったと公式に認めた。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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