DHLは、2050年までにロジスティクス関連の二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ミッション2050」を掲げ、世界各地でトラックの電動化や施設のカーボンニュートラル化を進めている。日本でも、小型車5台、1トントラック4台、3トントラック10台、電動三輪車3台、電動バイク10台のEVを導入し、東京新木場のDHL東京ディストリビューションセンターに再生可能エネルギー設備を導入するなどの取り組みを行っている。
GoGreen Plusは、2月から欧州の数カ国などで提供が開始されている。個別の配送では、5月から日本でもMyDHL+ウェブサイトからの出荷申し込みで選択できるようになっていた。今回はそこに、「ベーシック」、「カーボンリデュース」という2つの契約ベースのモデルが追加された。おもに継続的に大量の荷物を発送する企業向けのプランで、二酸化炭素削減量の証明書が発行される。カーボンリデュースでは削減量を10パーセントから100パーセントの間で設定が可能となり、希望すればカーボンフットプリントレポートが提供される。またこれら3つのモデルとも、送り状にGoGreen Plusのロゴが印刷されることになっている。
とくにサプライチェーン全体で二酸化炭素排出量削減を目指す「カーボンインセット」を推進する企業は、この証明書を使ってスコープ3排出量の削減を公表し、イメージアップや信頼性向上をはかれるというメリットもある。スコープ3とは、自社の事業から直接排出される温室効果ガス排出量を示すスコープ1、他社から供給されるエネルギーの使用にともなう排出量を示すスコープ2以外の、間接的な排出量を示す指標のこと。サプライチェーンはスコープ3に含まれる。
このサービスが実現できたのは、昨年3月、DHLがSAF生産の世界最大手企業であるフィンランドのネステとイギリスのBPと、5年間で8億リットルを超えるSAFの調達契約を結んだためだ。ちなみにSAFとは、廃油などの廃棄物から作られる航空燃料の総称で、製造を含めたライフサイクル全体で、従来の航空燃料と比較して約80パーセントもの二酸化炭素削減量が見込まれるというもの。現在、世界各地で開発が進められているが、現状では大量生産が可能なネステとBPの製品の取り合いとなっている。
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