政治

2023.07.08 12:00

特攻に使われる70年前のロシア軍戦車、ウクライナ南部に到着

Karasev Viktor / Shutterstock.com

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ロシア南部からロシアが占領するウクライナ南部クリミアに向けて列車で運ばれているのが目撃されたロシア軍の旧式戦車のT54、T55はどうやら到着したようだ
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これらの戦車はおそらく、最少の乗員が乗り込む移動式の見張り塔として、あるいは爆薬を詰め込まれて無人の車両運搬式即席爆発装置(VBIED)として使われる運命にある。

6月下旬に70年前の戦車が運ばれるのを見て、ロシアのボロネジ州の人々は良く思わなかった。ある人は「マンモスの糞のように古代のものだ」と、最近ネットで拡散した動画の中でコメントしている。

ロシア政府が1950年代に生産された古い戦車を長期保管庫から引っ張り出し始めてから4カ月が経つ。ウクライナ南部に展開するロシア軍部隊への、おそらく何百両もの備蓄戦車のT54やT55の着実な供給は、17カ月におよぶウクライナ侵攻の真の暴力を繰り返し思い起こさせる。
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外部オブザーバーが確認できるだけでも、ロシアはこれまでに装甲車両1万両以上を失った。この数は世界のほとんどの軍隊の保有車両より多い。

ロシアの産業界が生産できる戦車は月に数十両ほどであることと相まって、深刻化する損失によりロシアは技術的な意味で過去に遡ることを余儀なくされている。まず1960年代のT62を復活させ、その後さらに古いT54とT55にも手を伸ばした。

重量40トンのT54やそれよりもわずかに新しいT55は絶望的なまでに時代遅れだ。薄い装甲、低性能の光学機器、安定性に欠ける100ミリ砲では激しい戦闘、特に夜間においては役に立たないどころではない。乗員4人にとっては死の罠だ。

だがロシア軍は通常、T62、特にT54やT55を諸兵科連合の編隊の一部として装甲攻撃には使わない。代わりに戦線の数キロ後方に配置し、粗末な榴弾砲として使用している。これらの戦車に乗り込むのはたった1人だけの場合もある。

これは間に合わせの活用法だ。英王立防衛安全保障研究所の最近の研究論文には、老朽化した戦車を使った榴弾砲について「非効率的な大砲だ」と書かれている。

「とはいえ、戦車は防御力が高く、対砲兵射撃に対する脆弱性が軽減されるため、このような榴弾砲の発射は往々にして砲兵隊には実行できない位置から行うことができる」ともある。
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翻訳=溝口慈子

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