気候・環境

2023.07.09 10:30

有害性懸念されるPFAS、米国の水道水の45%に存在か

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環境中に長くとどまり、健康に悪影響を与えるおそれがある有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が、全米の水道水の半分近くに含まれていると推定されることがわかった。米当局は一部のPFASについて規制の強化を進めている。
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PFASは水や油をはじく性質があり、1940年代以降、フライパンや泡消火剤などさまざまな製品に使われてきた。だが炭素とフッ素が強力に結びついているため、環境中に長く残り、飲み水などを汚染しやすい。「永遠の化学物質」と呼ばれる理由だ。

米地質調査所(USGS)は2016〜21年に国内の数百箇所で水道水のサンプルを採取した。その検査結果に基づくと、国内の水道水の約45%にPFASが検出されると推定された。米政府が全米規模で民間と公共の水道水のPFAS濃度を調査し、比較したのは初めてだった。

5日に発表された今回の研究結果は、農村部よりも都市部の住民のほうがPFASにさらされるリスクが高いという先行研究を確認する結果にもなった。USGSの推定によると、水道水にPFASが含まれない確率は農村部で約75%なのに比べ、都市部ではわずか25%ほどに下がる。
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各州の水道当局によると、PFASはさまざまな経路で水に入り込む。たとえば工業用地や処分場から水中や大気中に排出されることもあれば、空港や軍事基地で使われる泡消火剤から地下水に流れ込むこともある。

PFASは水や土壌、大気の中だけでなく、食品包装や、焦げつきにくいフライパンや防水仕様の衣類といった日用品、デンタルフロスのようなパーソナルケア製品など、身近なさまざまな製品からも見つかっている

これまでの研究では、PFASへのばく露は女性の受精能力の低下、妊婦の高血圧症、子どもの発育障害などにつながる可能性があることが明らかになっている。

米環境保護局(EPA)によると、PFASはこのほか、前立腺がんや腎臓がん、精巣がんの発症リスクを上昇させたり、免疫機能を低下させたりする可能性もある。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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