PFASによる汚染は新しい話ではないが、規制当局やメーカーはここへきて使用の段階的な廃止に乗り出している。米疾病対策センター(CDC)によれば、1999〜2000年には採取した血液サンプルの97%からPFASが検出された。
ジョー・バイデン米政権は2021年10月、EPAや国防総省、食品医薬品局(FDA)などの連邦政府機関によるPFAS汚染対策計画を発表。2022年6月にはEPAが一部のPFASについて健康勧告を出すことや、超党派インフラ法を通じて飲み水の「PFAS汚染の最前線にあるコミュニティーへの支援」に10億ドル(約1400億円)を拠出することを明らかにした。
EPAは3月、飲み水のPFAS濃度に関する規制値案を公表し、代表的なPFASである「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)」と「ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)」について、確実に測定できる最小値である4ppt(1リットルあたり4ナノグラム)という厳しい水準を設けた。
一部の州はすでに法律でPFASを規制している。ウィスコンシン州は飲み水のPFAS濃度に制限を設け、メーン州はPFASの使用を2030年までにあらゆる製品で禁止することを決めている。
企業に対してPFASの使用を制限するよう求める圧力も高まっている。米複合企業スリーエム(3M)は6月、PFASで飲み水を汚染したとして複数の水道事業者から訴えられていた問題で、103億ドル(約1兆4700億円)を支払って和解することで合意した。マイク・ローマン会長兼最高経営責任者(CEO)は「2025年末までにPFAS製造から完全撤退」すると明らかにしている。
(forbes.com 原文)