チョルノービリ原発事故では、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの約15万平方キロメートルが汚染されたが、ザポリージャ原発で惨事があった場合に放射性降下物が降り注ぐ範囲は、これよりもかなり狭くなるのではないかと専門家らはみている。
カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン核政策プログラム共同部長は、ザポリージャ原発で災害が起こった場合、おそらく2011年の福島第一原発事故と似たものになるだろうとCNNに語っている。福島での事故では、原発から半径約30キロメートルの範囲が放射性物質の影響を受けた。
アクトンによると、ザポリージャ原発では安全設計が改善していることから、仮に原子力災害が起こっても、影響を受ける範囲が半径10〜20キロメートルの「局地的な事故」に抑えられる可能性が最も高いという。
ウクライナ南部では先月、ザポリージャ原発に冷却水を供給している川の下流にあるカホウカ水力発電所のダムが決壊した。このときも、ゼレンスキーが「ロシアのテロリスト」による仕業だと非難したのに対し、ロシア当局は国営メディアでウクライナ軍による砲撃によるものだと主張して対立した。
米紙ニューヨーク・タイムズは検証記事で、ダムはロシア軍が爆破した可能性が高いと分析している。
(forbes.com 原文)