欧州

2023.07.07 11:30

ザポリージャ原発、もし爆破されれば何が起こるのか?

ウクライナ南部のザポリージャ原発での事故に備えた訓練の様子。ザポリージャで(2023年6月29日撮影、Dmytro Smolienko / Ukrinform/Future Publishing via Getty Images)

ザポリージャ原発には原子炉が6基ある(編集注:AP通信などによると、すべて稼働を停止し冷却中)。ゼレンスキーは以前、ザポリージャ原発で爆発が起これば、1986年に炉心溶融(メルトダウン)を起こしたチョルノービリ(チェルノブイリ)原発の「6つ分」に匹敵する規模になると発言した。チョルノービリ原発事故による死者は公式には42人とされるが、国連などは長期でみると4000人前後にのぼると見積もっている
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チョルノービリ原発事故では、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの約15万平方キロメートルが汚染されたが、ザポリージャ原発で惨事があった場合に放射性降下物が降り注ぐ範囲は、これよりもかなり狭くなるのではないかと専門家らはみている。

カーネギー国際平和財団のジェームズ・アクトン核政策プログラム共同部長は、ザポリージャ原発で災害が起こった場合、おそらく2011年の福島第一原発事故と似たものになるだろうとCNNに語っている。福島での事故では、原発から半径約30キロメートルの範囲が放射性物質の影響を受けた。

アクトンによると、ザポリージャ原発では安全設計が改善していることから、仮に原子力災害が起こっても、影響を受ける範囲が半径10〜20キロメートルの「局地的な事故」に抑えられる可能性が最も高いという。
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ウクライナ南部では先月、ザポリージャ原発に冷却水を供給している川の下流にあるカホウカ水力発電所のダムが決壊した。このときも、ゼレンスキーが「ロシアのテロリスト」による仕業だと非難したのに対し、ロシア当局は国営メディアでウクライナ軍による砲撃によるものだと主張して対立した。

米紙ニューヨーク・タイムズは検証記事で、ダムはロシア軍が爆破した可能性が高いと分析している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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