こうした隕石はほぼ毎日、地表に到達しているが、一部の議論好きの科学者たちは、この隕石は他とは違うと信じ、それを証明するべく、太平洋の底から隕石を回収しようとしている。
米ハーバード大学の天文学者、エーブラハム・ローブとそのチームは過去数週間にわたり、調査船「シルバー・スター号」に乗って太平洋を航行し、巨大な磁石を使って、太陽系外からやってきたとみられる小さくて丸い金属の塊「小球体」(spherule)を海底から採集している。
ローブは27日、船内からブログサービスのMedium(ミディアム)に投稿した記事で、「たった今、シルバー・スターのデッキでディナータイムにシャンパンで乾杯し、初めて認識された恒星間隕石『IM1』の火球が飛んだ経路付近で小球体50個、計35mgを発見したことを祝福したところです」と書いた。
IM1は、2014年に大気を切り裂いた火球に付けられた名前だ。5年後、ローブとその教え子の1人、アミール・シラジは論文を発表し、IM1の並外れた速度と明るさから、星間空間由来の非常に強固な物質からできていると推論できると主張した。
そして米国宇宙軍は2022年、異例の覚書を公表し、IM1が恒星間起源であることを確認。「米航空宇宙局(NASA)に報告された推定速度は、恒星間の軌跡を示す上で十分な正確性があった」とした。
6/ “I had the pleasure of signing a memo with @ussfspoc’s Chief Scientist, Dr. Mozer, to confirm that a previously-detected interstellar object was indeed an interstellar object, a confirmation that assisted the broader astronomical community.” pic.twitter.com/PGlIOnCSrW
— U.S. Space Command (@US_SpaceCom) April 7, 2022
ローブは現在、数週間にわたる海上調査を終えようとしており、収集した小球体数十個を分析に回す予定だ。
ローブはブログ投稿で「近いうちに、小球体の元素と同位体の組成を分析し、査読誌に投稿する論文でデータを報告します」と説明。「IM1の高速性と特異な物質強度から見て、その起源は太陽系と異なる自然環境、あるいは地球外技術文明にあることは間違いありません」と述べた。
読み間違いかと思ったかもしれないが、そうではない。ローブは、IM1が遠方の天体から欠け落ちた自然発生の隕石ではなく、地球外由来の星間探査機の残骸である可能性があるとみているのだ。