経営・戦略

2023.07.14 08:30

「社食がある企業」は強い? あるなしで労働生産性は変わるのか

石井節子
■丸紅 ──「〇Café」、コンセプトは「日本一おいしい社員食堂」

丸紅の社員食堂「〇Café(マルカフェ)」のコンセプトは「日本一おいしい社員食堂」であり、「コミュニケーション」「リラックス」「健康支援」を促進する場として位置付けられている。幅広いジャンルのメニューやイベントメニューが提供されており、社会福祉法人丸紅基金への寄付メニュー(対象のメニューを1食とるごとに一定額が寄付される仕組み)を定期的に実施するなど、食を通じた社会貢献も行っている。

■三菱地所──入居企業も使える社食で、ビル自体に付加価値化を

2018年に完成した三菱地所の社員食堂「SPARKLE」は健康とコミュニケーションを促進するとともに、イノベーションや交流を生み出す場として設計されたワークプレイス兼社食だ。高い利用率を誇り、その後、2021年6月に開業した「常盤橋タワー」(東京・大手町)に三菱地所が運営する入居企業向けの社員食堂「My Shokudo」を導入。自社社員だけではなく、入居企業も使えるという点で、オフィスビルの新たな付加価値となっている。

■味の素──食後、トレー返却後にデータ表示

味の素の社員食堂は「健康経営」の一環として導入された従業員専用のウェブサイト「My Health」と連携し、ひとりひとりの健康を意識したメニューを豊富に揃える。

食べ終わった後、トレーを返却するとカロリーや食塩相当量がディスプレイに表示され、「My Health」に記録ができ、健康管理が可能だ。健康アドバイスアプリ「カロママプラス」に日々の食事や運動記録などのデータを入力することで、AI管理栄養士が個別にアドバイスをくれ、まさに食企業ならではの健康経営、食堂のあり方だ。
 
■ルネサスエレクトロニクス──テーマは「日本一野菜のおいしい社内カフェ」

ルネサスエレクトロニクスの社員食堂「大地を守るDeli & Travel cafe」は、「日本一野菜のおいしい社内カフェ」をテーマに、国産有機野菜を中心とした食材宅配会社「大地を守る会」とレストラン運営会社「トラベルカフェ」がコラボレーションし、運営されている。コミュニケーションの場としてだけではなく、平均年齢の高い社員の健康への配慮のため、野菜を多く摂れるメニューが多く提供されている。
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サステナブル・ラボ (編集=石井節子)

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