「これはCMじゃないの?」議論噴出の大賞受賞作
そしていよいよ、「Branded Shorts of The Year 2023」。インターナショナル部門とナショナル部門に分かれ、いわば今年の“大賞作品”が発表された。インターナショナル部門はイギリスの洗剤会社Vanishによる『Me,My Autism&I』。自閉症の女性とそれを取り巻く友人や家族が描かれたムービーだ。受賞者のエリオット・ハリスのコメントが上映され、審査委員長のたちばなやすひとが「周りの方の演技も素晴らしく、作り手のコミュニケーションも含めてトータルに評価した」とコメントを送る。
そして最後に、ナショナル部門。韓国ドラマの“あるある”をこれでもかと詰め込んだ、佐久間由衣・小関裕太主演の『恋するチャミスル2』(真露)が受賞作品として発表された。審査委員長のたちばなやすひとは、「事前審査では圧倒的な1位。これはCMじゃないの?と議論にはなったが、あるあるのクオリティが秀逸。楽しみながら作っていることも想像でき、満場一致で決定した」と受賞作に決定した理由を述べた。作品を担当したクリエイティブディレクターの丹羽貴紫は、「監督と一緒に韓ドラを見ながら楽しんで作った」と笑顔。「チャミスルと視聴者が、どうやったらラブラブになれるかなという発想。“韓ドラあるある”は最初から考えていた」と制作の裏話を披露した。
最後に審査員と各賞の受賞者、そしてSSFF & ASIA代表の別所が登壇し、フォトセッションが行われた。そして締めくくりに、別所がインサイトテックとAIを映像の評価に活用する取り組みを提案。「映像の中から勇気づけられたり、頑張る力をもらう体験がある。映画の可能性は無限。BRANDED MOVIEはこれから先世界に通じる分野だと思う」と力強くコメントし、2023年の「BRANDED SHORTS」は幕を閉じた。