イベントに参加した18社の中から、日本に初めて上陸する米国スタートアップのテクノロジーなどを取材した。
家具や壁面などをタッチUIに変える「TouchWood」
米ペンシルベニア州ピッツバーグに拠点を構えるTouchWood Labs(タッチウッドラボ)は、ガラスパネルに代わるタッチインターフェースの開発を手がけるスタートアップだ。イベントのため来日したCEOのMatthew Dworman氏が2018年にカーネギー・メロン大学在籍時に考案した技術を基に、2020年に会社を起ち上げた。TouchWood Labsの創業者兼CEO Matthew Dworman氏
同社は独自の半透明なマテリアルに木材や石材、ファブリックに似た質感を付与し、タッチセンサーやLEDバックライトを積層して厚さ約14ミリのユーザーインターフェースにまとめ上げる技術を「TouchWood(タッチウッド)」として米国で特許を取得した。
Dworman氏は同社の技術が「デジタルデバイスのタッチインターフェースに革新するもの」だと説く。バックライトを消灯すると、インターフェースである木材や石材と見分けがつかないため、例えば家具や壁面に組み込んだ箇所をインターフェースにすることができる。
推奨値1200nits以上の明るい光源を通す半透明な表面素材は耐久性能が高くキズも付きにくい。また曲げ加工にも対応することから、自動車のダッシュボードなどに搭載できるほどデザインの自由度も高いという。同社は現在、独自技術のブラッシュアップを進めながらTouchWoodを自社の製品に組み込むことを検討しているプロダクトメーカーとの協業を拡大している。
生鮮食品が約2倍長持ちシール、フードロスの課題に挑む
Ryp Labs(ライプ ラボ)は生鮮食品に貼るだけで約2倍長持ちさせるステッカー「StixFresh」を商品化する、米ワシントン州カークランドのスタートアップだ。独自のバイオテクノロジーに基づく商品開発を強みとしている。StixFreshはフルーツや野菜など、食物が有害な環境から身を守るために放出する特殊な化合物の生成を促進するステッカーだ。食物に直接貼ることによって、食物の腐敗を遅らせることができる。
Ryp Labsの生鮮食品を長持ちさせるステッカー