ソーラーシェアとは、太陽光発電所の下の土地を利用して農業を行う取り組みのことです。ソーラーパネルの下の日陰で作物が育つのか、大型の農機が使えないのではといろいろ心配になりますが、一般社団法人ソーラーシェアリング協会は心配無用と話しています。植物には育成に必要な光合成がもっとも活発に行われる最大の光量(光飽和点)が決まっていて、それを超えると光合成の量は変化せず、むしろストレスになります。なので、植物ごとの光飽和点を把握してソーラーバネルで太陽光の量を調整してやることで、むしろ効率的な栽培ができるということです。つまり、太陽光パネルと畑とは共存共栄の関係になるのです。また、ソーラーシェアはあくまでも農業が主体なので、大型農機が使いやすいように開発されたソーラーパネルも数多くあります。
リエネは、2022年12月、埼玉県東松山市に「リエネソーラーファーム東松山太陽光発電所」を設置しました。敷地面積5200平方メートル、定格容量は約0.4メガワットと小規模な実証実験用の施設です。そこでは最適な発電量の確保、作物の育成データの収集と分析による収穫高と栽培品質に影響の少ない営農の実験が行われていますが、このたび立派なニンジンと枝豆が収穫されました。これらは軽井沢にある東急グループの2つのホテルに送られ、レストランで提供されます。各ホテルにはスターエンジニアリングの生ゴミ処理機「バイオクリーン」が導入され、野菜屑はここで約85パーセントまで減量されて良質な堆肥となって畑に帰ってきます。
リエネソーラーファーム東松山太陽光発電所ではこれからも「作物の生育データの収集・分析を通した収穫高や栽培品質に影響の少ない営農の実証」を続けるということです。また、近隣に開設したカフェレストラン「TENOHA東松山」でもソーラーシェアの農作物を提供し、「ソーラーシェアのさらなる普及と、近隣住民との共生」を目指すとしています。
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