中道:その光景、手に取るようにイメージできます。3年前のことでも心に残った話は覚えていますから。
やっぱり日本の中で当たり前のこととしてやっていることは、海外ではあたりまえではないんですよね。そういう風に日本が素晴らしいということを知っているか知らないかで価値の作り方や見え方は変わってきます。
この番組には食に関わる方に多く出ていただいていますが、みなさんそこに気づいてなんとかしようとがんばっていらっしゃいます。簡単ではないし続けるのはすごく大変ですけど、最近ではアメリカで広がってきたとか、そういう話に繋がってきたなと、この番組をやっていて実感しています。それこそ何十年も椎茸をつくってきた農家の方たちも喜んでいらっしゃるのでは?
杉本:そうですね。親父の代から付き合いのある生産者さんもまだまだ現役で、そのおじいちゃんたちが言うわけです。「日本人が干し椎茸を食わないのに、こんなに仕入れてどうするんだ」って。
だから「日本人が買わなくなったから、アメリカやヨーロッパに輸出しているんだよ」って言うんです。そしたら、おじいちゃんたちがキラキラと目を輝かせてすごく喜ぶんです。「俺が作った椎茸は海を渡ったか」って。そうか、こういう効果もあるんだなと思いました。
自分たちが作ったものが海を渡り海外の人たちの口に入っていることが、ものすごいモチベーションになるんです。それを見て、また違う価値が生まれたんだなと感じて、ますますやらなければいけないなと僕らのモチベーションも上がります。