HPなど継続保有の3銘柄に追加投資
コンピューター製造販売のヒューレット・パッカード(HP)は約1600万株、エネルギー事業のオキシデンタル・ペトロリアムは約1700万株、保険事業のマーケルは約4000株が、それぞれ追加で購入されました。新たに投資した主な銘柄
今回新規での投資となった、金融サービスのキャピタル・ワン・ファイナンシャルについては、購入株数は約990万株・推定9~10億ドル程度の投資規模となりました。これは、当該第1四半期のみで購入された金額としては、オキシデンタル・ペトロリアムと同程度の比較的大きな規模の投資となります。
台湾有事や米地銀に対する懸念も
同社は、2022年第3四半期(昨年7~9月)に台湾・半導体大手のTSMCへ新規投資を行っていたものの、わずか1四半期後に8割以上を売却、結局のところ今年1~3月のうちに、残りの保有分を全て売却していたことが判明しました。
5月に開かれた定例株主総会にて、バフェット氏より「TSMCは素晴らしく経営されている、世界に無くてはならない重要な企業であるが、地政学的なリスクを再評価した」旨の発言があり、政治的な緊張感の高まりを強く嫌気していることが明確に伺えます。
米地銀大手のUSバンコープとバンク・オブ・ニューヨーク・メロンの2社についても、全ての保有分が売却されました。
これら両銘柄は、昨年から1年近くの期間を経て徐々に売却が進められ、今年3月末までに全てが処分された形となりました。
石油メジャーのシェブロン、自動車大手のゼネラル・モーターズを2割売却
2022年2月からのロシア・ウクライナ戦争の影響や、アフターコロナによる経済活動の再開で、世界的に原油価格が高騰する中、同社は石油株のポジションを着々と拡大させてきました。前四半期末の2022年12月末時点で、シェブロンは上場株式ポートフォリオ全体の約10%近くのシェアを占める規模にまで拡大しましたが、今回の売却で大きく膨らんだ利益の一部を確定させた形となり、シェアは6.65%にまで低下しました。
ゼネラル・モーターズについては、約10年に渡って保有していた銘柄になりますが、2021年第1四半期より徐々に売却を進めています。
マイケル・バーリ氏のファンド、サイオン・アセット・マネジメントは保有銘柄の大部分を入れ替え、暴落する地銀株を購入
新規で購入したのは地銀株やエネルギー株などを中心に、合計18銘柄
今回特に目立ったのは、昨今の銀行不安の影響で軒並み大暴落した地方銀行への新規投資です。経営破綻しJPモルガン・チェースが買収することとなったファースト・リパブリック・バンクの15万株をはじめ、ウェスタン・アライアンス・バンコープを12万株、パックウェスト・バンコープを25万株など、まさに落ちるナイフを掴みにいったことになります。
ポートフォリオ全体に占める地方銀行銘柄の割合は10%超となりました。
購入された銘柄で、もう一つ目立ったセクターは石油・天然ガス採掘のエネルギー株です。
コーテラー・エナジー、ナショナル・オイルウェル・バーコ、デボン・エナジー、オビンティブの4社、これらエネルギー株がポートフォリオ全体に占める割合は約9%となりました。