経済・社会

2023.06.16 06:15

建設業界の2024年問題 労働時間適正化への課題

Getty Images

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2024年4月1日から、建設業では働き方改革関連法によって時間外労働の罰則付き上限規制が適用される。規制が適用されれば、従業員の時間外労働の上限は月45時間・年360時間が原則となる。それによって発生する様々な問題に加え、人手不足、常態化する長時間労働など、今、建設業界が取り組むべき労働環境に関する問題を「2024年問題」という。

そんな建設業の2024年問題の期限を前に、戸建住宅の建物検査・地盤調査を手掛けるジャパンホームシールドは4月、現場の事業者が実際に感じている課題や解決方法についての考え、取り組みなどを探るために、全国の住宅・建設事業者229名を対象に意識調査を実施した。

まず、実際に人手不足だと感じることはあるかを尋ねると、「感じている」(74.2%)と「少し感じている」(22.3%)、合わせて9割半ば(96.5%)を占める結果に。続けて現場の就業者や技術者が高齢化している実感があるかを聞くと、こちらも「実感がある」(79.9%)と「少しある」(17%)が合計で9割半ば(96.9%)に達した。

人材確保のために何を優先すべきかについては、最多が「給与体系の見直し」で約7割(69.9%)に上ったほか、次いで「労働環境の改善」(59%)、「組織や業務の見直し」(47.6%)の順に。

働き方改革法を見据えた残業時間管理が行われているかについては、「積極的に行われている」が32.8%、「行われている」が33.6%で、6割超(66.4%)の企業が残業時間管理を行っていることが判明した。

さらに、労働時間の適正化に向けてすでに取り組んでいることについては、最も多かった回答が「デジタル化(DX)」で43.7%となり、「人材確保」(34.5%)と「BPO/アウトソーシング」(21.4%)が続いた。

労働時間適正化のため、実現したいことや自社に足りないと感じることについては、「勤怠管理」をはじめ「リモートやフレックスの導入」「デジタル化」など制度や仕事の進め方に関する課題があがるなか、「休みやすい雰囲気」「従業員の意識改革」といった組織風土や従業員のマインドに関する課題を指摘する声も多く寄せられた。

国土交通省は2018年、「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定。「長時間労働の是正」「給与・社会保険」「生産性向上」の3分野を軸に施策をまとめ、業界の働き方改革を後押ししているが、問題はまだ山積している。2024年4月まで残り1年足らず。建設業界では、早急な対応が求められている。

プレスリリース

Forbes JAPAN Web編集部

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