宇宙

2023.06.12 13:30

太陽系の星々が夕方に輝く今週の夜空、天の川を見るのにも絶好の時期

今週の黄昏時には太陽系のすばらしい光景がいくつも見られる(Getty Images)

今週の黄昏時には太陽系のすばらしい光景がいくつも見られる(Getty Images)

2023年のほとんどの間、金星は夕暮れの西の空に明るく輝いてきたが、三日月型に形を変えていくにつれ、7月にはついに太陽の輝きの中に姿を消してしまう。それまでの間、金星はプレセペ星団に接近する旅を続ける。蜂の巣星団とも呼ばれるその星団は、北半球の春の空で最も美しい散開星団の1つだ。一方、早起きの人たちは今週、愛らしい三日月の景色を見ることができるだけでなく、夜空のもう1つのすばらしい散開星団であるプレアデス星団とともにいる場面もある。
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新月を迎える今週は星を見るにはすばらしい1週間であり、メインポジションにいる天の川を見るチャンスだ。ただし遅くまで起きていられればだが。来週は、北半球で昼が最も長く、夜が最も短い日である夏至がやってくる。どうしてそれがわかるのか? プレアデス星団が日の出直前に東の空に見えるからだ。もちろんカレンダーは役に立つが、星々の位置は数千年前から、時の経過や季節の始まりを教えてくれてきた。

6月13日火曜日頃:金星とプレセペ星団が大接近

火星がプレセペ星団(M44)の中に現れてからわずか数週間後、今度は金星の番だ。今も明るい「宵の明星」は、かに座の中のプレセペ星団のすぐ近くを通過する(最接近するのは13日)。肉眼でも見ることができるが、どんな双眼鏡でもいいので、のぞいてみるとM44の青い星々のより美しい姿が見えるだろう。火星もすぐ上にいる。

6月14日水曜日の朝:三日月が木星に接近

朝4時頃に起きて東の空を見ると、輝面比14%の欠けていく三日月が木星のわずか1.4度の位置を通過する。現在木星は朝の天体で、夏の終わりまでそれが続く。

6月16日金曜日:三日月と天王星

朝4時頃、薄明の東南の空には、輝面比5%の細い月が、右上の木星と左下のプレアデス星団の間に見える。しかし、三日月の右下には遠い惑星、天王星がいる。ただし、見るためには双眼鏡が必要だ。

6月16日金曜日の朝、三日月がプレアデス星団の近くを通過

この日も早起きすると、わずか5%だけ輝く細い三日月が、青く輝く星々の散開星団であるプレアデスから2度の位置を通過する。夏至が近いことを知らせる光景だ。

6月17日土曜日:土星が逆行を開始

この日から11月4日まで、土星は見かけ上逆行する期間となる。うお座の中に見える土星は、空の上で逆方向に動いているように見える。地球は太陽の周りを外惑星(地球よりも外側を公転する惑星)よりずっと速く公転しているため、時として惑星たちを追い抜く。すると少しの間その惑星は逆方向に動いているように見える。

6月18日日曜日:新月

新月は、月が地球と太陽のほぼ中間に来た時に起きる。このためまったく見ることができない。これは非常に残念なことだ。実際には1日中太陽の輝きに中にいるのに。唯一新月を見ることができるのは日食の時だが、その時でも太陽の円盤を横切る影として見えるだけだ。

今週の天体:天の川

夏は、北半球で天の川を見る絶好の時期だが、条件が完璧でなくてはならない。空はとても暗い必要があり、それは都会の光からできる限り離れなくてはならないことを意味している。挑戦すべき最適な時期は6月18日にやってくる新月の前の週(および数日後)だ。ただし夜更かしする必要がある。少なくとも深夜零時にならないと完全な闇にはならない。北半球の高い緯度に住んでいる人なら、7月や特に8月、9月の新月が夏の天の川を見る絶好のチャンスだ。

各地の日の出/日の入り、月の出/月の入りの正確な時刻については、気象庁のウェブこちらを参照してほしい。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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