しかし監督のマイケル・マローンは、そんなマレーに「君をトレードしない。君はチームの中心だ」と温かく話したそうです。その会話からマレーのナゲッツへの忠誠心が増したことは疑いがありません。
ナゲッツはチーム戦力が高いだけではなく、選手を大切にするからこそケミストリーも非常に高いチームなのです。このように隙がないナゲッツが優勝すると予想しているファンの方は多いと思います。
泥沼から這い上がってきたマイアミヒート
レギュラーシーズン終了後、ヒートへの期待値は決して高くありませんでした。
東地区優勝予想の候補といえば、ミルウォーキーバックスとボストンセルティックスの2択とされていました。バックスは今シーズンNBA全チームの中でも最高勝率を記録し、セルティックスは昨シーズンファイナルに進出した経験から、さらに飛躍するだろうという見方が大半でした。
ヒートは2020シーズンにファイナル進出して以降、主力の高齢化が進んだり、他チームに比べて「スター選手不在」と批判され、今シーズンはプレーイントーナメントからプレーオフの切符を争うという状況でした。
そんなプレーインも初戦は下位のアトランタホークスにまさかの敗戦。その後敗者復活戦に勝利し、なんとか東地区第8シードとしてプレーオフの権利を獲得しました。
ただ1回戦で待ってた相手が、先述したバックスでした。このシリーズが始まる前までは、ヒートはここで敗退し、その後主力メンバーの解体もいよいよ現実的になるであろうと思った方は多いと思います。
しかし、ここからヒートが奇跡を起こします。優勝大本命のバックスを4勝1負で倒し、2回戦では上位シードのニューヨークニックスを4勝2負で倒し、東地区の決勝まで登っていきます。
決勝の相手は、ボストンセルティックス。ヒートの快進撃は続き、いきなり3連勝で王手をかけます。ただセルティックスにもプライドがあります。その後セルティックスが3連勝でシリーズをタイに持ち直し、運命は最終戦のGame7。
勝てば東地区優勝、負ければシリーズ敗退が決まる試合で、ヒートはセルティックスを倒し、2020シーズンぶりの東地区優勝を決めたのです。