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2023.05.25 09:45

グーグル元CEO、AIで「多くの人が死傷する」可能性を警告

グーグルのエリック・シュミット元CEO(Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com)

グーグルのエリック・シュミット元CEO(Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com)

Google(グーグル)のエリック・シュミット元最高経営責任者(CEO)は24日、人工知能(AI)によって「非常に多くの人が傷つけられたり死んだりする」可能性があると警告した。
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2001年~11年にグーグルCEO、15年~17年に同社の親会社Alphabet(アルファベット)の執行会長を務めたシュミットは、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル主催のイベント「CEOカウンシル・サミット」での対談で、AIに関する規制は「社会にとってより広範な問題」であると指摘。米国が規制機関を設立する可能性は低いとの見解を示した。

さらに、「今すぐではないが、近いうちに、これらのシステムがサイバー問題のゼロデイ脆弱(ぜいじゃく)性を見つけたり、新しい種類の生物学を発見したりできるようになる」と警告。「そうなったとき、悪人に悪用されないようにする方法を用意しておくべきだ」と述べた。

一方、グーグルとアルファベットの現CEOであるサンダー・ピチャイは英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿で、「AIは人類が今日取り組んでいる最も深遠な技術」とし、「社会として正しく理解することが重要だ」と主張している。
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AI規制を求める声は、昨年末にOpenAI(オープンAI)のChatGPT(チャットGPT)が登場したことを受けて加速した。オープンAIに続き、グーグルなどの企業も独自のAIチャットボットをリリースしている。

3月には、Twitter(ツイッター)運営会社を率いるイーロン・マスクとApple(アップル)の共同創業者スティーブ・ウォズニアックらが、「制御不能な競争」に歯止めをかけるためにAI開発を一時停止するよう求める公開書簡に署名。書簡にはこのほか、政治家のアンドリュー・ヤン、Skype(スカイプ)の共同創業者ジャーン・タリン、Pinterest(ピンタレスト)の共同創業者エバン・シャーパー、Ripple(リップル)の共同創業者クリス・ラーソンも署名している。

オープンAIのサム・アルトマンCEOは3月、ABCニュースに対し、同社がAIのポテンシャルを「少々恐れている」ことを認めつつも、「人類がこれまでに開発した中で最も偉大な技術になるだろう」と述べている。

富豪で慈善家のビル・ゲイツは、AIはここ数カ月で「驚くべき」躍進を果たしたとし、AIが社会に与える可能性のある影響を歓迎している。ゲイツが1975年に創業したMicrosoft(マイクロソフト)は、オープンAIに100億ドル(約1兆4000億円)を投資したと報じられている。

ゲイツはブログ投稿で、マスクらが署名した書簡で提起されている問題を認めつつも、AIに関する社会的な懸念は政府により規制され、この技術が良いことに使われるようにするべきだと指摘。また、AIが生産性の向上、世界の予防可能な小児死亡例の減少、米国の教育に存在する不公平の解消に利用される可能性を示唆した。

シュミットが委員を務めていた米人工知能国家安全保障委員会は2021年、米政府は「この新しい技術に対する準備ができていない」と結論した報告書を発表していた。またシュミットは同年、米政府のAI研究開発予算を2022年に20億ドル(約2700億円)へ増やし、その後も毎年倍増させて2026年には320億ドル(約4兆4500億円)とすべきだと述べている。

米政府は今月初め、AIがもたらすリスクに対処する計画を発表し、責任あるイノベーションを推進するための研究機関設立に1億4000万ドル(約195億円)を投じると表明した。

forbes.com 原文

翻訳=上西雄太・編集=遠藤宗生

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