ディズニーの事業全体の売上高は218億ドル(約2兆9300億円)、利益は1株当たり0.93ドルとウォール街の予想をほぼ満たしていた。利益の大部分は、テーマパーク部門からで、この部門の純利益は22億ドルを記録した。一方、コンテンツを主とするセグメントの利益は、11億ドルだった。
しかし、同社はDisney+で400万人もの加入者を失い、総加入者数は1億5700万人に縮小した。アナリストは、Disney+が170万人の会員を追加すると予想していた。加入者数の減少の大部分は、インド市場の加入者数が8%減少したことによるものだが、同サービスは米国でも30万人の加入者を失った。
ディズニーは、Disney+の加入者1人あたりの平均収益が4.44ドルで、予想通りであり、インドを除く地域では加入者が1%増加したと報告した。
Disney+での加入者数の減少にもかかわらず、ディズニーの決算報告には、ストリーミング部門の損失の縮小という明るい要素もあった。Huluやスポーツ配信のESPN+を含むストリーミング部門全体の損失は、前年同期の8億8700万ドルから、6億5900万ドルに縮小した。
ディズニーの株価は近年、市場全体を大きく下回り、2020年2月以降にS&P500が40%上昇したのに対し、約25%下落している。カリフォルニアに本社を置く同社は、ここ3年の間に、パンデミックの初期にテーマパークがほぼ全面的に閉鎖されたことや、長年のCEOであるボブ・アイガーが退任し、最終的に復帰するなどの、不安定な状況に直面してきた。
アイガーの後任としてCEOを務めたボブ・チャペックの3年間の在任期間中、ディズニーは、主にストリーミング部門の損失の増大により、利益を縮小させ、2020年12月以降の各四半期で少なくとも2億9000万ドルの損失を計上した。
一方、ディズニーは、オーランド郊外にあるテーマパーク「ディズニー・ワールド」の政治的特権を剥奪しようとしたロン・デサンティス知事を提訴するなど、フロリダ州で厄介な政治闘争に巻き込まれている。
大和証券のアナリストのジョナサン・キースは最近の顧客向けメモで、ディズニーのライバルであるコムキャストの目標株価を約5%引き上げ、コムキャストが「フロリダの同業他社のように政治的リスクに気を取られていない」と評価した。
(forbes.com 原文)