自分の感覚と思考を持つ ある絵画教室と星野リゾート社長の教え

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。
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Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

Vol.38配信は、前回に引き続き地域ビジネスプロデューサーの南雲朋美がゲスト。土からその地域の魅力をひも解き、地域の強みにかえていく南雲は、いかに自分の感覚を信じ、思考を組み立てているのか。


中道:南雲朋美さんは地域ビジネスプロデューサーとして数々の経営再生や産地活性化プロジェクトに携わられています。土や地形、気候風土などから、その地域の方が気づいていない良さを、ストーリー性をもってひも解き、その土地ならではの価値をあげてく活動をされています。
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そういう日々の中で、地域への課題をどのように見ていますか?

南雲:まず、地域の方が自分たちの地域の魅力に気づいていないということですね。最初にそれに気づいたのは北海道のトマムでした。取材をしている時に、10頭ぐらいのシカの群れが目の前をバーッと通ったんです。驚いて、「見た? 見た?」と興奮しながら聞いたら、地域の人は「通りましたね」と、イヌが通ったかのように平然としていて。なるほど、これに感動するのは他所から来た人だけなんだと。

このシカ的なものは他の地域にもあるはずで、それが強みになるのに気づいていない。東京でスタバが流行っているらしいから俺のところにも作ろうみたいな感じで東京の真似をする。そんなことをしても絶対に東京には勝てっこないのに。無駄なことをやっているなと、すごく思いますね。

なぜそうなってしまうのかというと、やっぱりメディアにも責任があると思うんです。首都圏媒体ばかり見ていると、地域の中で東京が偉いみたいな感じになって、東京への憧れを持ってしまうのではないかと思うんんです。それでマーケティングに走るのは危険です。

首都圏から人を連れて来ることに注力するあまり、東京の人たちの趣味趣向に合うものを用意しなければいけないと考えて、どの地方に行っても同じ感じになっている。そうではなくて、まず地元の人に好かれるように、地元ファーストで考えることが大切です。そうすれば提供するサービスが違ってくると思うんですよ。
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文=久野照美 編集=鈴木奈央

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