そうしたなかで、帝国データバンクが2023年4月時点の人手不足の動向調査を行なったところ、コロナ禍で打撃を受けていた業種が急回復し、人手不足の割合がコロナ前の水準まで達していることがわかりました。
正社員、非正社員ともに、4月としては不足と感じている企業が多く、正社員で51.4%、非正社員で30.7%を記録しています。例年4月は新入社員が加わるため、月次では下がる傾向があるものの、前年同月比でいずれも上昇しており、正社員では過去最高を記録しています。
業種別に見てみると、正社員の人手不足の割合でもっとも高かったのが「旅館・ホテル」で75.5%。月次ベースでも6ヵ月連続で業種別トップとなっており、深刻な人手不足が続いています。2位は「情報サービス」の74.2%で、IT人材不足の傾向はずっと変わっていません。
非正社員の業種別では、「飲食店」が85.2%でもっとも高く、続いて「旅館・ホテル」の78.0%、「飲食料品小売」の58.7%となっています。コロナ禍で打撃を受けていた業種が、経済活動の回復を受けて、再び人材確保に動いていることがよくわかります。
これからインバウンド需要が回復するにあたり、「旅館・ホテル」「飲食店」といった業種の人手不足をどう補っていけるのか。人材確保だけでなくDXなどの合理化への投資も検討していく必要がありそうです。
出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2023年4月)」より