日本経済の好機、いまこそ改革を
日本は「何の事業で、これから稼ぐのか」を皆で考える時期に来ている。日本は地政学の視点から見ても、ビジネス上、アジアで重要なポジションにいる。半導体企業を海外から誘致することにも成功し、最近では、データセンターを日本に置く企業も増加している。半導体工場が日本に集まれば、サプライチェーンを確立でき、世界からも信頼される場所になる。日本にとってデータセンター集積は、デジタル産業の出遅れを取り戻すチャンスになる。大容量のデータを高速処理できるインフラが発達すれば、あらゆる産業のデジタルシフトが加速し、国際競争力が高まる。
さらには、これまでヘッジファンドは日本オフィスを撤退させてきたが、もう一度、日本に支社を置く動きもある。ヘッジファンド大手「シタデル」は、東京に拠点を再設置する予定だ。シタデルは、世界のヘッジファンドが2022年末までに稼いだ利益ランキングで1位。そんなファンドが日本にもう一度、注目している。
そのほか、スタートアップを盛り上げる仕組みづくりも欠かせないし、海外の優秀な人材を確保するためには、在留資格制度の充実も不可欠だ。バフェット氏も日本に来日し、日本企業に注目しているタイミング。こうした動きは、明らかに日本に追い風だ。この好機を逃さず、本質的な改革がなされることを願う。