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2023.04.16 09:00

トランプのDNA型はレイプ訴訟の証拠となるのか?

トランプのDNA型が他の訴訟で使われる可能性は?

トランプは現在、エル(Elle)誌の元コラムニストで作家のE・ジーン・キャロルから訴えられている。キャロルは、1990年代にニューヨークの百貨店「バーグドルフ・グッドマン」の試着室で、トランプからレイプされたと主張している。

キャロルは、この時に着ていた服を保有しており、この服の付着物から採取したDNAサンプルがトランプのものだと主張している。キャロルの弁護団は2020年、比較照合のため、トランプのDNAサンプルを提出するよう要求したが、トランプ側は当初、提出を拒否。後に提出に応じる意向を示したが、そのころにはすでに証拠開示の期限が過ぎていた上、両者はその前日に「DNAの専門家を証人として召喚しない」との合意文書を裁判所に提出していた。

よって、今月予定されているこの訴訟の裁判で、トランプのDNA型が使用されることはない。とはいえ、もしキャロル側が何らかの方法でトランプのDNA型を入手する許可を得た場合、たとえ法廷では証拠として使えないとしても、服に付着していた数十年前のサンプルがトランプのDNAと一致するかどうかを確認できる可能性はある。

トランプから性的暴行を受けたと主張する女性はキャロルを含めて19人いるが、今のところ、レイプの罪でトランプを告発した女性はキャロルだけだ。他の女性たちがDNAサンプルを保管していた場合、このサンプルがトランプ前大統領のDNA型と照合される可能性もある。

レイプに関しては、州によって法律に定める出訴期限に違いがあるため、この訴えが通るかどうかは、事件が起きた場所によって変わってくる。とはいえ、大半の州では、DNA鑑定が可能な証拠がある場合には、出訴期限がなくなったり延長されたりする。

ニューヨーク州の場合、レイプに関しては出訴期限が定められていないが、他の性的暴行については5年が期限となる。ただし、照合するDNAサンプルがある場合には、DNAを根拠とした「出訴期限の適用除外措置」がある。

DNA鑑定は、レイプや性的暴行といった犯罪に加えて、殺人や強盗、暴行など、さまざまな犯罪捜査で使われてきた。犯行現場からDNA型が採取された場合、犯人特定に使用できる。

トランプは、ニューヨーク市で逮捕された他の人々と同様に、DNA型が市のデータベースに登録されたのだろうか? また、有罪判決を受けた場合、DNA型が全米のデータベースに登録されることになるのだろうか? トランプと同じ裕福なニューヨーカーであるレオナ・ヘルムズリーはかつて、「税金は庶民だけが払うもの(only the little people pay taxes)」と豪語したが、DNAデータベースについても同じことが言えるのだろうか?

forbes.com 原文

翻訳=長谷 睦/ガリレオ・編集=遠藤宗生

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