2023.04.12 10:15

飲んだら翌朝も乗らないほうが…… 飲酒が運転に与える影響とは

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飲酒・酒気帯び運転に対する厳罰化や事業者に対して運転前のアルコールチェックの義務化など、悲惨な事故をなくす取り組みを行っていますが、それでもなお飲酒・酒気帯び運転はなくならないし、事故も起きています。

そうしたなかJAFが、飲酒が運転に与える影響について検証した結果を公開しています。

まず、飲酒前とその直後、そして飲酒開始から10時間後の翌朝にドライビングシミュレーターで運転能力の確認を行ったところ、飲酒前に比べて飲酒後はハンドル操作が雑になり、壁にぶつかったり、まっすぐ走れなかったりという人が増加。アクセル操作も急加速やブレーキ操作が雑になり、確認や判断ミスも増え事故を起こす人もいたそうです。

これが、飲酒直後だけでなく、翌朝でも飲酒前に比べて増加しているところが興味深い。飲酒の量やアルコール分解能力、体調などの関係もあると思いますが、ちょっと寝た程度では飲酒前の状態にまで回復しないということ。人によっては、翌朝でも呼気からアルコールが検出されるケースもあり、前日飲酒をして判断能力や体の不調を感じたら運転を控えたほうがいいでしょう。

また、アイトラッキングでどこを注視しているかをテストしてみると、飲酒後には左右やミラーの確認がおろそかになったり、視覚から飛び出してきた子供や自転車を見落とす傾向にあったそう。つまり、進行方向は見ているけど周りを見ておらず、注意力が低下しており、アルコールによる判断力の低下も合わさって、事故に繋がる可能性が高いことが示されています。


よく、クルマで訪れてお酒を飲んでしまったので、ちょっと車内で寝てから運転して帰るという人がいますが、今回の調査結果からも、いくらお酒に強いからといって、ちょっとやそっとでアルコールの影響が抜けるわけではありません。「飲んだら乗るな、飲むなら乗るな」という標語がありましたが、万が一飲んでしまったら運転代行を頼むなどして、運転しないようにしましょう。

出典:JAF「飲酒による運転への影響は翌日まで続くのか?」より

文=飯島範久

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