2. 相手の感覚を取り入れ、心をつかむ
顧客の称賛を得るには、顧客の好奇心を刺激し、感覚を呼び覚まし、喜びを与えることが大切だ。こうした感情に訴える話が、一部のブランドのリーダーたちには眉をひそめさせることは承知している。だが掴もうとしているのは、顧客のビジネスだけでなく、顧客の心であることを忘れないで欲しい。センサリーマーケティングとは「顧客は、自覚の有無にかかわらず、五感の関与によって意思決定を行う」という原則に立脚したマーケティング手法だ。たとえば、パッケージにラベンダーの香りをつけたり、販売している枕にラッピングチョコレートを添えたりするなど、できるだけ多くの人にブランドをアピールできる方法を探してみよう。あるいは、音声や画像をともなう高品質の動画コンテンツを作成して、顧客がいつまでもあなたの製品を連想できるようにしよう。
販売するものによるが、ここで工夫が必要かもしれない。幸いなことに、顧客の心をつかむコンテンツを作る機会は、無限にある。受け手の印象に残るために何をすべきかは、彼らが望むものを与えるだけでなく、彼らが必要としていることさえ知らなかったものを与えることであることを忘れないで欲しい。
3. コミュニティの構築
会員権を買うにしても、マンションを買うにしても、ピザを買うにしても、誰もがなんらかの帰属意識を持ちたいと思うものだ。ますます断片化していくこの世界の中で、コミュニティが構築されることで、人の孤独感は和らぐ。さらに、チームを持っていることが重要だ。それが根強いブランドの競争関係を築かせるものであることを示す例が、Mac対PC、ペプシ対コカ・コーラ、スタートレック対スター・ウォーズだ。顧客をブランドになびかせるために、コンテンツやソーシャルメディアを活用して、このコミュニティ構築をこれまで以上に簡単にできるようにしよう。また顧客のコメント、レビュー、評価に対応し、きちんと受け取ったことを伝え、プラットフォームを使った対話とユーザー作成コンテンツを奨励しよう。ブランドへの忠誠心に報いることで、称賛してくれる顧客をブランドアンバサダーにすることができるのだ。そうすれば仮に何かで失敗しても、顧客は離れないだけでなく、変わらずあなたのことを応援してくれるはずだ。
コミュニティの構築には、製品やサービス以外の活動やイベントにも参加することが必要だが、ブランドの価値観に忠実であることが重要だ。他者や世界のために良いことをすれば、顧客はあなたのブランドを好きになる理由をまた1つ手に入れることができる。
信頼の先へ
ひょっとすると顧客のブランドに対する信頼を築き、それを維持することが究極の成果だと考えているかもしれない。しかし、本当に熱烈な顧客を作るには、彼らの称賛を得ることが必要だ。もちろん簡単ではないだろう。しかし、彼らの心をつかむことで、永続的な関係を築くことができるのだ。(forbes.com 原文)