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2023.04.04

第3回CSA賞受賞— なぜ若手社員が活躍しているのか?豊田通商 アフリカ本部のグローバル人材育成

エン人材教育財団が実施する第3回CSA賞〜20代に薦めたい「次世代型人材」創出企業〜を受賞した豊田通商アフリカ本部。本部理念である「WITH AFRICA FOR AFRICA」の想いを自分ごと化して働ける環境、そして20代のうちから大規模なプロジェクトへの参加、責任ある役割を担える職場であることが評価された。若手がやりがいを持ちながらハードな課題にチャレンジできる組織運営について、今井斗志光副社長(以下、今井)に話を聞いた。


CSAとは「Career」「Select」「Ability」を掛け合わせた造語『CareerSelectAbility®』(キャリア自⼰選択⼒®)の略称だ。

「CSA」とは、様々な選択肢の中から自分が望む道を選べるほどの力のことをいうと、エン人材教育財団は定義している。CSAで唱える実力とは、転じて、どんな環境に置かれても活躍できるだけの実力である。一般的に言われるEmployabilityは「雇用されうる力」という受動的な意味だが、CSAには「自らキャリアを選択する」という能動的な意味が込められている。
(詳しくは「次世代型人材戦略」のP17~21を参照ください)

その名を冠したCSA賞の選定基準は3つ。

1つ目は「20代人財輩出性」。若いうちからどこでも活躍できる人材を育て、その人材が社内で活躍していること。2つ目は「本業主観正義性」。業界や社会に対する独自の問題意識を持ち、その想いをかたちにしようとしていること。そして3つ目は「収益性」。一定以上の収益性を継続的に担保していることである。

豊田通商アフリカ本部は「20代人財輩出性」において、「WITH AFRICA FOR AFRICA」の理念を自分ごと化して働ける環境があること、20代から裁量を持ってアフリカ各国でのビジネスやプロジェクトを与えられ、レベルの⾼い⾮定型業務にチャレンジできる環境があることが評価された。

また「本業主観正義性」「収益性」においても高い評価を得た。

今井の話から、現代の若者が活躍できる人材育成環境、そして社員が一丸となって社会課題に取り組む体制づくりのヒントを探っていく。

実力主義の中で成果を出すことが成長につながる

今井は「今の若者は成長意欲を持ち、成長実感を得たいと願っている」と話す。

「野球で例えると、草野球と部活では実力がまったく違う。部活のようにハードな環境で鍛えないと本当の実力がつかないことはみんな理解している。重要なことは、企業側が、若者が成長できるステージを用意することだと思っています」

商社である豊田通商に入社する20代の若者は、そもそも海外で経験を積むことを希望している者が多い。しかし彼らに用意されているステージは決して甘いものではない。

豊田通商のアフリカ事業はアフリカ全54カ国で展開し、総勢約2万2,000名の従業員が携わっている。主に「モビリティ」「ヘルスケア」「コンシューマー」「電力・インフラ・テクノロジー」の4分野で、アフリカの経済成長と産業化に貢献している。

アフリカ本部が掲げる理念は「WITH AFRICA FOR AFRICA」。アフリカで暮らす人々や社会とともに成長することを目指している。また、中・西部地域の仏語圏アフリカで1世紀以上の歴史とプレゼンスを持つフランスの商社「CFAO(セーファーオー)」との統合により、アフリカ全土にわたり効率的・戦略的な事業展開を行っている。

「企業の中には日本人というだけで現地法人の社長になるなど、ある程度待遇の良い環境を用意している企業もありますが、弊社は違います。日本の野球選手やサッカー選手が海外に移籍するときと同じように、己の実力でポジションをとり、結果を出していかなければなりません」

アフリカ内に数多く事業所がある豊田通商において、現地に派遣される若者の多くは所属先に日本人1人だけ、という状況に置かれる。そして彼らの仕事ぶりを評価するのはフランス人やアフリカ人の上司だ。

「本当の実力主義の環境下で、緊張感を持ってプレーし成果を出す。そしてチームの一員として認められる必要がある。こうした経験を得ることで自身の実力を把握し、成長することができる。グローバル人材として養成していくために20代で海外に出す、というのは、会社全体としての方針でもあります」

現地・現物の精神が自発的に挑戦する行動力を生み出す

今井も20代からアフリカで働いてきた1人だ。入社3年目の25歳で西インド洋・マダガスカル共和国の駐在事務所に赴任し、自動車の販売から現地病院の建て直し、道路工事まで多岐にわたる事業に携わってきた。

その経験の中で今井は、発展途上国が抱えるさまざまな問題にも直面してきたと語る。

「アフリカにはSDGsが掲げる17の目標すべてが該当します。貧困問題にしても先進国の貧困とアフリカの貧困はまったく違う。教育の問題にしても字を書けない人が半数を占める国もある。我々はこうした課題をビジネスとして成立させ、持続可能な社会を作っていかなければならない」
豊田通商 副社長 今井斗志光

豊田通商 副社長 今井斗志光


豊田通商では風力、太陽光、地熱といった再生可能エネルギー事業にも力を注ぎ、経済発展に不可欠なエネルギー・インフラ整備を行なっている。

「アフリカは干ばつや熱帯化、大洪水といった気候変動問題の最大の被害者でもある。過去には大雨の影響で、車20万台ほどを整備する工場がすべて水没してしまったこともある。今後は気候変動の課題にうまく対応しながら、成長していかなければいけないと考えています」

今井は「現地・現物」という言葉を大切にしている。この「現地・現物」は、現場に足を運び、実物を見ることが大切という表層的な意味ではない。現地に行き、そこで起きている課題に対し何ができるかを考え抜き、行動を起こすことが重要という考え方だ。この精神は豊田通商グループの全社員に受け継がれている。

実際に、アフリカに勤務する日本人社員の中に「アフリカが抱えている社会課題を解決したい」と手を挙げ、自らプロジェクトを作り事業を展開している者がいる。

「社会課題を解決するために、企業買収の提案を行ない、M&Aを成功させ、いま現場の最前線で事業をしています。現地の状況を知らないとそういった発想も当然出てこない。こうした意義ある挑戦に関しては、スピード感を持って展開できるようサポート体制を整えています」

現地で問題となっている事柄を自分ごととして捉え、行動する。豊田通商グループに根付く現地・現物・現実の精神が、まさにアフリカ本部の理念「WITH AFRICA FOR AFRICA」を体現している。

現地化の強みを活かし、さらなる企業成長を目指す

豊田通商のアフリカ事業の売上高は、アフリカ本部を設⽴した2017年に約6000億円だったところ、この5年間で拡大し、2021年には約1兆円を突破。アフリカ地域での売上⾼が1兆円を超えたのは⽇本企業初となる。

「我々は売上成長率において、アフリカのGDP成長率の倍を目指しています。アフリカは世界の成長エンジンとも言われ、国にもよりますが、成長率は4~5%です。我々が目指す売り上げの成長率は8~10%です。年率8%を実現するには、既存事業だけでなく、新しい分野にも事業を拡大していかなければなりません」

アフリカ本部の最大の強みは、現地で何が必要とされ、どのような提案が受け入れられるのかを熟知していることだ。

「消費者が手にするモノのエンドは現地の人でないとわかりません。カメルーンであれば、カメルーンの人々が夜に何を食べるのかを知っていなければ、夜食向けの商品を店頭に置くことができない。ただ日本人のマーチャンダイズがあるだけでは何の役にも立たないのです。しかし我々は2万2,000人ほどいる社員の中で、2万人以上がアフリカ人です。現地化を徹底しているため、スピード感を持った事業展開が可能となるわけです」

最後に、アフリカ本部ではどのような人材が活躍できるのかと尋ねると、今井は「明るく、楽しく、元気よく、ですね」と優しく微笑んだ。

「とても単純なことを言っていると思われるかもしれませんが、希望を持ち、楽観的で周囲を明るくする。これがとても大事なことなのです。好奇心があり、外国人に囲まれるチームで認められる存在となり、『キミといると楽しいな』と言われるような柔軟な人であれば、大いに活躍できると思います。特に20代の若者には、若いころからたくさんの経験を積んで、ダイバーシティ・ネイティブになってほしいと思っています。そして、失敗しても恥ずかしくない20代のうちに国際色豊かなチームでもまれ、海外でも通用する実力を身につけてほしいですね」

CSA賞HPはこちら


今井斗志光(いまい・としみつ)◎豊田通商株式会社 副社長。早稲田大学商学部卒業後、豊田通商 入社。1991年にアンタナナリボ(マダガスカル)事務所長、2000年に豊田通商アフリカ(南アフリカ)出向、13年CFAO社副社長を経て、16年に豊田通商 執行役員兼CFAO社副社長に就任。18年にトヨタ自動車 常務役員アフリカ本部長就任、19年に豊田通商 アフリカ本部COOを経て22年より現職。

Promoted by 一般財団法人 エン人材教育財団 / text by Rikako Ishizawa / photographs by Shunichi Oda / edit by Aya Ohtou (CRAING)

連載

次世代を担う若手人材育成の秘訣─CSA賞─

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