航空分析会社Cirium(シリウム)によると、3月22日時点でロシアで運航されている大型旅客機および貨物機は793機で、昨年2月中旬から101機減少している。この減少の大部分は、外国の所有者がロシアの航空会社にリースしている483機のうち推定59機が差し押さえられたことに起因しているようだとシリウムは指摘する。
ロシアの航空会社に有利に働いたのは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間、多くの飛行機が稼働していなかったため、摩耗や損傷が少なかったことだ。しかし、国際線の運航が大幅に縮小されたいま、航空会社はいまだに必要以上の航空機を保有している。民間航空データベースのPlanespotters.netによると、ロシア最大の航空会社アエロフロートでは保有する飛行機の約20%が駐機中または長期保管状態にある。小さな航空会社では30%以上が使われていないところもあるとパトラコフはいう。ロシア政府は1月に駐機中の飛行機から部品を移し替えることを合法化した。
元航空整備士で米運輸安全委員会の委員を務めていたジョン・ゴグリアは、ロシアの航空会社は西側諸国で製造された旅客機が比較的製造から年数が経っておらず、信頼性が高いという利点を享受しているという。シリウムによると、ロシアの航空会社が保有する249機のエアバス機の製造年数は平均10年強で、227機のボーイング機は平均14年弱だという。
航空機の部品を入手するために、ロシアは長年制裁を受けているイランに倣っている。つまり、部品が最終的に届けられるところを不明にするために複数の仲介業者を通している。ロシアは旧ソ連構成国やトルコ、インド、中国などの国々で協力を得られるパートナーを見つけることができると考えられている。しかし、それにはコストがかかる。各仲介業者が手数料を取るため価格は通常の2〜5倍になり、待ち時間も長くなると業界関係者はいう。