17歳でスタンフォードを中退し起業
若くして光学分野で才能を発揮したラッセルは、17歳でスタンフォード大学を中退してルミナーを創業し、過去にはフォーブスが30歳未満の優れた若手起業家を表彰する「30 アンダー30」に選出されている。これまで一貫して、人工知能(AI)をあらゆる条件下で安全に自動運転ができるように訓練するには技術的課題が多く、実現できるのは2030年代以降だと主張してきた。この見方を裏付けるかのように、フォードとフォルクスワーゲンは昨年、共同設立した自動運転スタートアップのアルゴAIを、短期的には大きな収益が見込めないとして解散した。それとは対照的に、ラッセルはルミナーの収益が今後数年にわたり毎年3倍に拡大すると予想している。「自動運転車はまだ研究開発段階で止まっており、LiDARの生産契約には至っていない。だからこそ、われわれは自動車メーカーと契約を結んで生産車両のラインに入り込んでいる。これは、自動運転車向けとは全く異なる取り組みだ」とラッセルは話す。
しかし、ルミナーはまだスタートアップ段階にある。売上高は、2022年第4四半期でわずか1110万ドル(約15億円)、通年では4070万ドル(約55億円)。第4四半期は1億4480万ドル(約197億円)の赤字だった。また、通期ではメキシコ工場の建設費や継続的な研究開発費の影響で、4億4590万ドル(約607億円)の赤字だった。
ルミナーのトム・フェニモアCFOは、「ルミナー・デー」で投資家に対し、「今年は売上高が少なくとも100%は成長する予定だ。2023年の受注額は、獲得済みの34億ドルに加え、新規受注が少なくとも10億ドルに達する見込みだ」と述べた。
(forbes.com 原文)