北米

2023.03.21

トランプが逮捕されたらどうなる? 身柄拘束の流れや大統領選への影響

ドナルド・トランプ前米大統領(Photo by Shane Bevel/NCAA Photos via Getty Images)

米マンハッタン当局は早くて今週中にも、ポルノ女優ストーミー・ダニエルズに対する「口止め料」支払い疑惑をめぐり、ドナルド・トランプ前大統領を起訴する可能性がある。大統領職経験者の起訴は米国史上初めてとなるが、トランプが逮捕後に勾留されることや、次期大統領選への出馬取りやめを強いられることはないとみられる。

トランプはソーシャルメディアへの投稿で、自身が21日に逮捕されるとの見通しを明らかにしたが、その根拠は明示していない。トランプは支持者に対して抗議を呼び掛けており、警察当局はデモに対応する準備を進めていると伝えられている。

トランプ逮捕・起訴の見通しについて、現在わかっていることをまとめた。

──トランプはいつ起訴されるのか?

まだはっきりしない。この問題の捜査では、証人尋問がまだ少なくとも1人残っており、マンハッタン地区の大陪審は尋問後、早くて20日中に起訴の是非を決める可能性がある。同日中に決まらなかった場合、大陪審が次に集まるのは22日、その次は24日の予定だと、米ニュースサイトのインサイダーは伝えている。

──逮捕容疑は?

ダニエルズに支払った口止め料に関連した財務記録改ざん容疑とみられる。トランプの元顧問弁護士マイケル・コーエンは2016年の大統領選に先立ち、トランプとダニエルズの過去の不倫関係を隠すため、ダニエルズに金銭を支払ったとされる。トランプはこの口止め料を「法務費用」と偽り、コーエンに弁済した疑いが持たれている。ニューヨーク州では、犯罪隠ぺい目的の財務記録改ざんは重罪とされ、有罪となれば最高で禁錮4年が言い渡される。

──トランプは出頭するのか?

起訴に至った場合、トランプの弁護団は出頭の日時を検察と交渉するものとみられる。顧問弁護士は、トランプが自主的に出頭する意向であることを示唆している。

──出頭しなかったらどうなる?

自主的に出頭せず、フロリダ州の邸宅「マーアラゴ」にとどまった場合、同州当局による身柄引き渡しが必要となる。身柄引き渡しは、判事または州知事の承認を得る必要がある。現フロリダ州知事のロン・デサンティスは、次期大統領選の共和党候補指名争いでトランプの対抗馬として有力視されている人物だ。

──州知事は逮捕を阻止できるのか?

インサイダーは専門家の話として、デサンティスがトランプの身柄引き渡しを遅らせる可能性があるものの、州知事の承認は形式的な手続きにすぎず、トランプの起訴を完全に防ぐことはできないと指摘している。
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翻訳・編集=遠藤宗生

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