北米

2023.03.16 16:00

米亡命中の中国人実業家、1300億円超詐取の疑いで逮捕

米ニューヨーク市で15日、中国人実業家、郭文貴が保有する部屋のあるホテルに立ち入る警官(Spencer Platt/Getty Images)

米司法当局は15日、1億ドル(約1300億円)規模の国際的な詐欺を首謀したとして、米国に亡命中の中国人実業家、郭文貴をニューヨークで逮捕し、起訴したと発表した。

ニューヨーク州南部地区の連邦地検によると、郭は2018年ごろからこの詐欺を指揮し、インターネット上のフォロワーら数千人をだまして自身の会社のGTVやヒマラヤ・エクスチェンジに計1億ドル超を出資させたとされる。

開示された起訴状によると、郭と仲間のウィリアム・ジェは証券詐欺、通信詐欺、国際的なマネーロンダリング(資金洗浄)、など12の罪に問われている。

当局は昨年9月から今月にかけて、郭側が不正に得たとみられる6億3400万ドル(約840億円)を押収。うち3億8900万ドル(約520億円)は、暗号資産(仮想通貨)に特化した金融機関で、8日に事業閉鎖に追い込まれたシルバーゲート・キャピタルと紐づけられた銀行口座に置かれていた。

郭はだまし取ったお金を、ニュージャージー州の4000万ドル(約53億円)の邸宅や350万ドル(約4億6000万円)のフェラーリの購入など、ぜいたくな暮らしをするのに充てていたという。

郭は、ドナルド・トランプ前米政権で首席戦略官を務めたスティーブ・バノンと親交があることでも知られる。フォーブスのビリオネアリストにも名を連ねたこともあるが、スイスの銀行大手UBSからマージンコール(追加担保の差し入れ要求)を受けた結果、5億ドル(現在のレートで約660億円)を失い、2016年に脱落している。

郭の弁護士にコメントを求めたが、現時点で回答はない。

郭はフォーブスの2017年のインタビューで「わたしのお金はクリーンだ。すべて衆人環視にしてもらってもかまわない」と語っていた。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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