口内スキャンで挑む歯医者のデジタル化

ダニエル・ハノーバー(左)、トニ・オロコ(右)

北米版「Forbes 30 Under 302023」に選出されたダニエル・ハノーバーとトニ・オロコ。ビジネススクールで出会ったふたりは、2018年にDandyを創業した。Dandyは、歯科医で患者の口内を精緻にスキャンしたデータから即座に差し歯やマウスピースを作成、納品するサービスを提供している。

「誰もが歯をもっていますが、歯の形や口腔環境はみな違っているため、患者別の治療が求められ、患者、そして歯科医にとっても大きな負担になっています」。治療のために歯の型をとったり、何度も調整のために通院したりすることは当たり前だった。歯科医もパテでの細かな型取り作業やペーパーワークが負担となっていた。

Dandyは口腔内3Dスキャナーとスキャンソフトを無料提供し、一連の作業をデジタルでワンストップでできるように置き換えた。差し歯やマウスピースなどの器具もより個人にフィットしたものを提供できるようになった。短時間で痛みなく患者の口腔内の型を取り矯正計画・実施ができるようになり、診察時間短縮とより多くの患者受け入れを実現したのだ。またデジタル技術に不慣れな歯科医のためのチャット等の充実したサポートも人気で、Dandyは急成長中だ。

現在米国内で4000人以上の歯科医をサポートしており、今年は米国以外の国や歯科医学校にもサービス拡大予定だ。「世界中の歯科医が時間を効率的に使い、よりよい治療を行う助けになりたい」。


ダニエル・ハノーバー、トニ・オロコ◎Dandy共同創業者。ペンシルベニア大学ウォートン校卒業後、ハノーバーはFacebookのエンジニア、オロコはVC等を経て2018年Dandyを共同創業。北米版「Forbes 30 Under 30 2023」に選出。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=ティム・タダー

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