なぜ「無料プレゼント」?
懐かしい高校生活の象徴がつぎつぎと子どもたちの手のひらに、腕の中に溢れ出す中、バンダイ ベンダー事業部 グローバルマーケティングチーム アシスタントマネジャーの瀬谷朋子氏に聞いてみた。
「もともと弊社は、『楽しいときを創る』を目的とした企業。コロナ禍でまるまる3年間を過ごさざるを得なかった子どもたちになんとか最高のときをプレゼントしたい、そう考えたことがすべての発端です。今日の思い出が、大人になった時にまた、自分のお子さんへの最高のときをプレゼントする上で生きるととてもうれしいですね。青稜高校にお声をかけたのは、青田泰明校長の校長ご就任が2020年、コロナ初年度であられたこと。このサプライズ・プレゼントの企画に全力でご賛同いただけるのでは、と考えたのです」
──その青田泰明校長は次のように話す。
「自分の高校卒業式当日の印象としては、これからは授業も自分で選ばなければいけない、親の手を離れる準備を本格的にしなければならない、という実感がありました。これまでの子ども時代のフェイズとの分岐点になる1日に、みんなには思い切り楽しんでほしかったですね。とりわけ、今年の卒業生たちは特別な世代。コロナ禍に覆われた彼らの3年間の最後の日には、盛大にサプライズでお祝いをしたかった。
来年も同じ規模で、というのは難しいかもしれませんが、毎年、なんらか子どもたちに喜んでもらえる施策は検討したいですね」