メルセデスと提携拡大のLiDARメーカー「ルミナー」の躍進

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メルセデスはルミナー製LiDARを幅広い次世代モデルに採用する計画だが、現時点では詳細を明らかにしていない。同社の年間販売台数はここ数年、200万台を突破しており、ルミナー製LiDARを搭載する車両の台数は、年間100万台を突破する見通しだ。

当初の10倍以上の生産量に

メルセデスとルミナーが2022年1月に発表した当初の提携では、生産コミットメントの対象は1つのプログラムのみだった。ルミナーCEOのオースティン・ラッセルによると、新たな契約での生産ボリュームは、当初の10倍以上に拡大する見込みだという。

メルセデスは、今後数年で実装するエヌビディアのDrive Hyperionプラットフォームをベースした運転支援・自動運転システムの一部として、ルミナーのセンサーを活用する予定だ。同社は、2020年にエヌビディアとの提携を発表し、当初は2024年のローンチを目指していた。しかし、その後の進捗を考えると、多少の遅延はありそうだ。

この取り組みを支援するため、ルミナーは生産能力を大幅に拡大する予定だ。同社は、サーキットボードなどの主要部品をいくつかの製造委託企業から調達し、年間約25万台の生産キャパシティを持つフロリダ州オーランドの自社工場で最終組立を行っている。メルセデスとのプログラムや、その他の潜在顧客をサポートするため、ルミナーはパートナー企業と共同でアジアに新たな生産施設を設けることを計画しているが、提携先の名前を明らかにしていない。

メルセデスは高級車メーカーだが、フォルクスワーゲンとInnovizの提携や、GMとLiDARメーカーのCepton との提携による運転支援システムUltra Cruiseの開発のように、今後より多くの自動車メーカーがLiDARメーカーと提携することで、LiDAR搭載車の数が大幅に増加することが想定される。これにより、製造コストが大幅に削減され、メインストリームモデルでもLiDARの搭載が進む見通しだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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