働き方

2023.03.11

依然存在するハイブリッドワークにおける従業員と管理職間のギャップ解消法

ハイブリッドワークが広がっている(Getty Images)

ハイブリッドワークの実現はすばらしいものになるかもしれないが、パフォーマンスギャップは依然存在し、管理職と従業員の間ではその効果について大きな違いが生じている。

Unisys(ユニシス)がHFSと共同で実施した2000人の管理職と従業員を対象とした調査では、ハイブリッドワークのパフォーマンスに対する見解には、管理職と従業員の間で乖離があることが判明している。従業員の約半数(49%)は、ハイブリッドワーク環境が非常に効果的に運用されていると考えているが、ハイブリッドワークモデルを高く評価している管理職はわずか33%だ。

なおこの調査では、ハイブリッド型ワーク環境とは、在宅勤務を行い週に1~2日はオフィスで過ごすという形態と定義している。多くの企業は、まだこの新しいワークプレイススタイルを理解しようとしている途中のようだ。ハイブリッドワークに向けて自分のマネジメントスタイルを「きちんと変えた」と回答した管理職は26%に過ぎない。

とはいえ、70%の経営幹部が、ハイブリッドは主要な勤務モデルとして存続するだろうとしている。ハイブリッドワークやリモートワークに対する経営陣の不安は残るかもしれないが、このモデルを熱心に採用し、それに応じて経営手法を適応させている企業は多い。

AI(人工知能)企業であるGlean(グリーン)は、ハイブリッドワークの方針を確立している。社員は週3回オフィスに出社し、ワークフローやイベントもこのハイブリッドアプローチを中心に設計されている。GleanのCEOで共同創業者のアービン・ジェインは「私たちは、1週間の中で会議や通話を意図的に分散させ、対面でのコラボレーションとリモートでのコラボレーションの両方を可能にし、最終的にはより生産的な日常を過ごしています」と語る。「数週間の試行の結果、すべての会議を特定の日に詰め込むと、会議の多い日、会議のない日の両方で生産性が低下することがわかりました。そこでよりニーズに合っていて、会議で疲れ果てないスケジュールになるように調整を行いました」

Redgate Software(レッドゲートソフトウェア)のCFOであるスティーブ・ミッチェルは「フレキシブルなハイブリッドワークは、今やビジネスの日常です」という。「英国、米国、オーストラリア、ドイツの各拠点で導入し、大成功を収めています。当社のスタッフは、在宅勤務、オフィス勤務、あるいは両者の混合勤務を選択することができます。良かったことは、チームワークを重視したアプローチにより、リモートワークへの移行がスムーズに行えるようになり、国際的な協力体制が強化されたことです」

また、先進的な企業であるMedRisk(メドリスク)は、2021年初頭にハイブリッドワークを恒久化し、社員の大半がリモートで働くようにした。同社の従業員1150人のうち6割がペンシルベニア州キングオブプルシア本社の近くに住んでおり、チーフピープルオフィサーのボニー・ソーディーは「オフィスで働く時間と自宅で働く時間を選択するハイブリッドスケジュールを選択できます」という。同時に、人材を広く募集することができるようになったと彼女は付け加える。「リモートワークを提供できたことで、22州にまたがる人材を採用できました」
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翻訳=酒匂寛

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