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2023.03.25

外食産業を支えるバックヤード業務の負担を減らせ! AIで人材不足や食品ロスに向き合う「HANZO」の挑戦

外食産業特化型DXサービス「HANZO」を手がけるGoals。大手外食チェーンが次々と「HANZO」導入を進める背景に、どのような業界課題があり、何を解決してきたのか。代表の佐崎傑に話を聞いた。


事業インパクトの大きなサプライチェーンに着目

飲食店における売り上げや来客数予測、発注量の算出、シフト作成などはこれまで、ベテラン人材の“勘と経験”に依存することが多かった。ここにAIの力を取り入れ、精度の高い売り上げ予測や最適な発注量の自動計算を実現しているのが、Goalsが提供するクラウドサービス「HANZO」だ。適正在庫を維持し食品ロスを削減し、人が本来すべき接客や調理などのサービスに時間とパワーを割くことができる環境づくりを目指している。

店舗運営を支える、表には見えにくい業務負担の数々。CEOの佐崎傑がここに着目したのはなぜだったのか。聞くと、「最初から崇高な志があったわけではない」と笑う。

新卒でソフトウェア開発のワークスアプリケーションズに入社した佐崎は、約6年間、基幹システムのソフトウェアエンジニアとして製品づくりに携わる。その後マネジャーとしてチームづくりを任されるようになると、同社の創業者・牧野正幸が直属の上司となる。それが、大きなターニングポイントになった。

「牧野さんは30代前半で会社を立ち上げ、数千人規模まで成長させてきた人。ゼロからリスクを取って決断してきた方の考え方や行動力に圧倒されました。それまで僕は、優秀な先輩を見つけてはまねをして成長してきたつもりでしたが、牧野さんは、サラリーマンの僕がこのまま努力してもたどり着かない線上にいた。この方に近づきたい。そのためには、自分も起業するしかないと考えるようになりました」

では、どんな事業で勝負をするのか。そこでキーワードになったのが「サプライチェーン」だった。エンジニアとして大企業向けの基幹システム開発を数々担ってきた佐崎は、サプライチェーンの課題解決が最もインパクトのある領域だと考えていた。

「サプライチェーンは“ものを仕入れて、つくって、売る”という、事業の根幹すべてにかかわっています。少しでも業務改善につながるサービスを提供できれば、事業を大きく成長させられる可能性がある。せっかく起業するのなら、世の中の役に立つ、社会にいいインパクトを与えるものをつくろうと考えました」

店舗の倉庫にこもって在庫を計算 アルゴリズム開発に1年費やした

ただ、外食産業特化型の「HANZO」にすぐたどり着いたわけではなかった。2018年にGoalsを創業した佐崎は、創業メンバーと複数のプロトタイプを開発し、さまざまな業界の大企業の役員を中心に、製品をプレゼンして反応を見て回った。在庫管理の自動化や販売予測の最適化に、多くの企業が好意的な反応を見せた。しかし、「投資を決裁してくれますか」と聞くと、誰もが下を向く。サプライチェーンシステムは事業の全領域に影響するため、巨額の投資と高いリスクを背負う必要があるからだ。

そんななかで、「リスクを取ってでも、導入を検討したい」「絶対にやるべきだ」と背中を押してくれる業界があった。それが外食産業だったという。

「サプライチェーンと一言で言っても、業界ごとに在庫管理や人件費の考え方はさまざま。どんな業界でも汎用的に使える便利なサービスをつくるのは難しいと思っていました。そこでどの業界に特化するかを考えたとき、“食”に関するサプライチェーンは取り組んでみたい領域のひとつだったんです」



佐崎の祖父が食品メーカーの会社をやっていたり、共同創業者の実家が飲食店経営をしていたりと、身近に感じていたのも大きかった。加えて、外食産業はここ数十年で急速に成長してきた“若い産業”という点も重要な要素だったという。

「多くの上場企業で創業者が現役で活躍されている場合が多いのも、外食産業のひとつの特徴です。強いリーダーシップをもって業界を変えていくんだという気概をもった方が多く、新しいチャレンジができる領域だと確信しました」

あらゆる業界にプレゼンを続ける約1年の試行錯誤を経て、19年からようやく「HANZO」のアルゴリズム開発がスタート。「研究開発は気合と根性。思い描いた通りに現場に適用できることなんて、まずなかった」と振り返る。

「『HANZO』は、これまで飲食店で蓄積されてきた膨大なPOSデータなどをもとに、AIに需要予測をさせるサービスです。一日に何人来客があり、どのメニューを何皿ずつ注文し、在庫発注はどれくらい必要か。それらを精緻に予測することで、発注ロスや廃棄ロスをなくし、利益率の向上を目指します。飲食店のなかには、すご腕のベテラン店長が予測してやってきたというケースもありますが、会社全体で予測レベルを均一にするのは難しい。属人化を脱しなければ、産業自体の継続的な成長が難しいという大きな課題がありました。アルゴリズム開発に乗り出しましたが、世界中の論文を探しても外食の製造モデルに最適化されたアルゴリズムはなかった。自分たちでゼロからつくるしかなく、この開発に1年弱かかりました」

ついに在庫予測モデルが完成した!と実際の店舗で試運用をしたところ、まったく予測が外れて落胆したこともある。顧客に協力してもらい、倉庫に半日こもって在庫を数え、アルゴリズムとどう違ったのかを付け合わせる地道な作業も何度も繰り返したという。

人が本来向き合うべき サービス業への回帰を目指す


現在、上場企業をはじめ多店舗展開をする外食チェーンでの導入が進む「HANZO」。人材不足が深刻化するなかでも、毎日1~2時間かかっていた在庫発注業務が5分に短縮されたり、新人やアルバイトスタッフにも在庫管理を任せられるようになったりと、うれしい変化の声が寄せられ、全国に店舗を展開するような大手企業でも導入が進んでいる。「飲食業の本質は、おいしいご飯を高いホスピタリティで提供するサービスにあります。でも、店舗経験を積んだベテランほど、在庫管理や人件費計算に追われている現状がある。AIの導入で、人が本来すべき“サービス”に時間を注げるようになることは、生産性の観点でも、働く人たちのモチベーションの観点でもとても重要だと考えています」

22年6月には15.5億円の資金調達を果たしたGoals。佐崎が描くビジョンは、外食産業を含めた食品産業全体の生産性の向上だ。

「需要予測の難しさは、卸売業や小売業、食品メーカーにとっても同じです。工場をもつメーカー側は見込み生産をせざるをえなくなり、食品ロスにつながっている。年間の食品ロス522万tのうち、食品産業による事業系食品ロスは53%を占めています(農林水産省・令和2年度推計値)。もっとデータを生かし、食材の無駄をなくして、お客様に適正にお届けする。そして、業界で働くすべての人の労働の無駄をなくして、本来向き合うべきサービス向上に努める。そんな世界をつ
くることが、Goalsが目指す姿です」

全国展開する飲食チェーンでも導入が進む「HANZO」

現在では、全国展開をしている大手飲食チェーンへの導入も検討されているHANZO。その最初の大型受注先となったのは、2021年2月より一部店舗での導入をスタートし、同10月より直営店全店で運用を開始した「肉汁餃子のダンダダン」(NATTYSWANKYホールディングス)だ。飲食業界のなかでも、1店舗で扱う食品・飲料の種類が豊富な居酒屋では、日々の売り上げや出数の予想は難易度が高いとされてきた。従業員の感覚値に頼らざるをえないため、ベテラン社員が発注するのか、新入社員が発注するのかなどによって、かかる時間も発注の精度も大きな個人差が生まれてしまっていたという。

「HANZOの導入によって、これまで一日30〜40分以上かかっていた毎日の発注を5分程度に短縮することが可能となり、全店で年15,000時間程の削減が期待できる。さらには、発注忘れや欠品、それに伴う小口購買・店舗間移動などの頻度も大幅に低減するなど、発注の精度自体を高める効果にも期待したい」(担当者)

その期待に応えるべく、Goalsの挑戦は続く。

HANZO自動発注シリーズは、雨天時の売り上げの落ち込みや、季節によって変化する注文メニューのトレンドなども加味した売り上げ予測をAIが行う。

HANZO自動発注シリーズは、雨天時の売り上げの落ち込みや、季節によって変化する注文メニューのトレンドなども加味した売り上げ予測をAIが行う。


Goals
https://goals.co.jp/



佐崎傑(さざき・たかし)◎Goals代表取締役CEO。2008年にワークスアプリケーションズに入社し、ソフトウェアエンジニア、事業責任者を経験。同社で各業界リーディングカンパニーのバックエンド業務の改善に携わるなかで、企業の仕入・製造・販売を司るサプライチェーン領域の課題解決が日本社会を大きく成長させる可能性を感じ、2018年7月にGoalsを創業。

Promoted by Goals / text by Rumi Tanaka / photograph by Daisuke Miura / edit by Miki Chigira

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