2023年、米国ライブショッピングの10大トレンド

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オンラインコミュニティを拡大するための人材との連携

9. 本物の会話がオーガニックな視聴者数を促進
ソーシャルメディアのインフルエンサーや有名人は、確立されたフォロワー基盤をもつことで視聴率を上げることができるため、ライブストリームのホストとして効果的ですが、ピアレビューや業界の専門家による製品の紹介も、多くの視聴者が好む製品やブランドの専門知識を伝えることができる点で効果的です。2022年12月に実施した消費者調査によると、全回答者の42%が、製品に対して正直な意見を述べる購入者がライブストリームのホストとして最も支持されています。特にX世代(42歳~57歳)の44%が、ホストとして最も好ましいタイプとして、実際の利用者を挙げています(図14)。ピアレビューや体験談は、正直な情報を得られると同時に、オンラインでは得られない情報を明らかにしてくれるため、視聴者にとって重要な存在となっています。

図14. 買い物ができるイベント中に視聴者が支持するホスト(回答者の割合)

(図内の訳、選択肢上から「分からない」「企業の経営者(ブランド創設者など)」「従業員(セールス担当など)」「有名人」「業界の専門家(コンサルタント、スタイリスト、デザイナーなど)」「インフルエンサー」「利用者」)対象:過去3ヶ月以内に買い物可能なライブストリームを視聴したことがある18歳以上の米国人回答者510名(2022年12月20日調査)出典:Coresight Research

10. ライブストリームで新たなオンラインコミュニティを形成する
ソーシャルメディアサイトやビデオ共有プラットフォームでのプレゼンス維持に加え、小売企業は自社のウェブサイトやアプリでのライブストリームを通じてオンラインコミュニティを形成し、来店や売上向上を目指すようになるでしょう。1対少数や1対1などの、より限定的なライブストリーミング形式が求められる中(図5参照)、ブランドや小売企業はコンテンツクリエイターやコミュニティリーダーと協力し、ブランドと、ブランドに協力するインフルエンサーの両方をフォローする消費者とがつながるグループが形成されるかもしれません。そのため、企業にとっては、優れた販売員のみならず、関連分野の専門家でもある、本物で知識豊富なインフルエンサーとの提携が重要な戦略の一つとなるでしょう。

例えば、石鹸と化粧品を扱うBeekman 1802は、ライブストリームの視聴者と深いレベルでつながるために、創業者の個人的な物語に焦点を当て、ライブストリームでは、彼らがニューヨークの農場で、スキンケア、化粧品、パーソナルケア製品の多くを作り出した日々の生活の話がよく出てきます。同社によると、2022年にライブストリーム中に1分あたりの平均で1500ドルの売上があったとし、一方でこのライブ配信が行われた日のEコマース売上は5倍増につながったことを報告しています。

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文=RxR Innovation Initiative

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