当社の分析によると、調査対象の消費者と小売企業の経営陣は、1対多数のライブストリーミングイベントに対しての意見が非常によく一致していることが明らかになりました。調査対象企業の26%が、その形式が自社の顧客にとって「最も適切な」形式であると挙げ、ライブストリーム視聴者の10人に3人が同形式を好むと回答しており、この形式の人気を裏付けています(図5)。
しかし、調査対象企業の18%が視聴者への「最も適切な」形式として1対少数のライブトリーミング形式を挙げているものの、それらが企画される機会は少ないのが現状です。一方で、ライブストリーム視聴者の10人に3人以上(31%)はこうした形式を好み、消費者はよりパーソナルなライブショッピングを期待していることを示しています。1対1の形式を好むライブストリーム視聴者は15%に過ぎませんが、より多くの企業が個人的なアプローチを採用するにつれて、相談型のライブショッピングイベントの人気が高まることが予想されます。
1対多数のライブストリーミング形式は、より多くの消費者にリーチする上で引き続き有効ですが、消費者の特定のニーズについて知り、個人的なサービスを提供するためには、1対1または1対少数のイベントを検討し始める必要があり、こうした取り組みにより、コンバージョンとブランドロイヤリティが改善する可能性があります。
図5. 小売企業が消費者にとって最も適切あるいは適切ではないライブストリームショッピングイベント形式(回答者の割合:左)、米国のライブストリーム視聴者が最も好むライブストリーミング形式(回答者の割合:右)
ライブストリーミングプログラムの推進
4. 定期的な配信がリピーターを増やすライブストリーミングをいち早く導入した企業は、コミュニケーションの頻度が、視聴者とのやり取りや情報の共有の質と同じくらい重要であることを認識しています。定期的な配信は、ロイヤルカスタマーベースの拡大に不可欠なのです。そのため、経験豊富なマーケティング担当者は、ターゲットとする視聴者やライブストリーミングの形式に応じて、毎日、毎週、または毎月、定期的な配信を行っています。
当社の独自調査では、企業と消費者の意見が一致する重要なポイントが明らかになりました。調査対象の全小売企業の3分の2は週に1回以上ライブストリーミングイベントを開催し(図6)、ライブストリーム視聴者の半数以上は週に何回も買い物ができるライブストリームを視聴していると回答しています(図7)。定期的な開催により、ブランドや小売企業は、新しい消費者とのつながりを頻繁に育み、習慣化することで、リピーターのベースを構築することができます。
図6. ライブストリームショッピングイベント*を開催している頻度(回答者の割合)
図7. 米国ライブストリーム視聴者の買い物ができるライブストリームの視聴頻度(回答者の割合)