先進テクノロジーの活用
1. より多くの視聴者を獲得するために、複数のプラットフォームを活用する2022年12月に実施したCoresight Researchの米国消費者調査によると、米国の消費者は平均で2.5のプラットフォームを利用してショッピングイベントのライブストリームを視聴しています。そして、2022年6月に実施したB2B調査では、調査対象企業は調査の12か月前にライブストリーミングのために平均3.9のプラットフォームを利用しています。
ソーシャルメディアや動画共有プラットフォームは、その膨大なユーザーベースにより、現在のライブストリーミング市場を独占していますが、ブランドや小売企業は、消費者のロイヤリティを強化し、ファーストパーティユーザーデータを収集するためにも、自社のプラットフォームでのライブストリームを開催し始めています。2022年12月の調査によると、調査対象のライブストリーム視聴者の4分の1は、小売企業が運営するウェブサイトやアプリで買い物可能なライブストリームを視聴したことがあり、21%はブランドが運営するウェブサイトやアプリ経由で視聴したことがあるといいます。
図3. 小売企業がライブストリームに利用しているプラットフォーム(回答者の割合:左)、米国のライブストリーム視聴者が過去3ヶ月間に視聴した買い物ができるライブストリーム(回答者の割合:右)
2. ユーザーデータの分析でターゲット消費者に効果的にアプローチする
当社のB2B調査によると、調査対象企業の約半数(46%)が、ライブストリームによるショッピングイベントからデータを収集・分析し、詳細なカスタマーインサイトを生成していることが分かりました。販売チームやEコマースチームは、収集したユーザーデータをターゲットとなる消費者とのエンゲージメントに活用し、適切な品揃え、アドバイス、パーソナライズされた顧客コミュニケーションの構築に活用しています。具体的なユーザーの行動データは、事業戦略を調整し、より効果的にターゲットとする消費者への働きかけに役立ちます。
例えば、当社の最新の消費者調査によると、米国のライブストリーム視聴者の20%は、午後(13:00~16:00)にライブショッピングを視聴する傾向があり、この時間帯は特にZ世代(18~25歳)に人気があることが分かっています。一方、ミレニアル世代(26~41歳)とジェネレーションX世代(42~57歳)は、夜7時~9時ごろに視聴する傾向があります(図4参照)。小売企業は、このようなデータを利用して、適切な視聴者を獲得するためのライブストリーミングプログラムのスケジューリングに役立てることができます。
また、ライブストリーミングキャンペーンの効果を高めるためには、年齢による差別化だけではなく、異なる消費者グループおよびそのビジネスが展開されているカテゴリーにおける微妙な行動を理解する必要があります。
図4. 米国のライブストリーミング視聴者が買い物可能なライブストリームを見る傾向が最も高い時間帯(回答者の割合)