北米

2023.03.02

FBI長官、コロナの発生源は「中国の武漢研究所」と発言

FBIのクリストファー・レイ長官(Getty Images)

米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は2月28日のニュース番組で、新型コロナウイルスのパンデミックは、中国の武漢の研究所から流出したウイルスが原因で起こった可能性が高いとの見解を示し、米国政府の2つの機関がこの結論を信じているという最近の報道を裏づけた。

レイ長官は、FBIがかなり以前からパンデミックが研究所からのウイルスの流出によって引き起こされたと考えていると語った。しかし、その評価がどのように行われたかについては触れず、「詳細は機密事項であり、話せることはほとんどない」と述べた。

ただし、この結論は、中国政府の協力なしに出されたものという。レイによると中国政府は、彼らの作業を妨害し、事実を見えにくくするために最善を尽くしてきた。「これは、中国政府が管理する研究所から、何百万人ものアメリカ人を殺すウイルスの流出が発生したという話だ」とレイは番組で語った。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は26日、FBIとエネルギー省の2つの機関がそろって、研究所から流出したウイルスが原因でパンデミックが発生したと結論づけたと報じたが、FBIは入手した情報を「中程度の信頼度」とし、エネルギー省は「低い信頼度」としていた。

FBIは2021年にこの結論に至ったとWSJは報じている。他の少なくとも4つの機関は、ウイルスが動物から人間に自然に広がったと考えているが、彼らの結論の信頼度も低く、米中央情報局(CIA)と他のもう1つの機関はまだ結論に至っていない。

WSJは、これまでのところウイルスが生物兵器プログラムから意図的に広められたことを示す証拠は見つかっていないと報じた。この説は、2021年の国家情報会議(NIC)のレポートで否定されていた。

科学コミュニティでは、ウイルスが動物から人間に広まった可能性が高いという考えが主流になっている。しかし、中国政府は国際的な調査団への協力を拒んでおり、ウイルスの起源は解明できていない。

一般的に広く合意されているのは、このウイルスが最初に2019年後半の中国の武漢で出現したという点だ。武漢には、コロナウイルスの研究を専門とする武漢ウイルス研究所が置かれている。

中国外務省の毛寧報道官は27日、米国は中傷キャンペーンの一環として「ウイルスの起源を政治化している」と述べた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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