米版100円ショップ「ダラーストア」 インフレの影響で成長モードに

Dollar General store / Getty Images

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インフレ圧力により、あらゆる所得層の消費者が、食品や消耗品をダラーストアで購入するようになっています。今後も、インフレに起因したこの傾向が続けば、ダラーストアの現在の食品の強さは維持されると思われます。

また、インフレ率が低下した場合でも、最近のインフレによってダラーストアで買い物をするようになった消費者は、倹約する習慣を続けるかもしれず、ダラーストアは2023年以降も成長モードを維持すると思われます。

小売企業にとっての意味合い

・現在ダラーストアは食品に力を入れており、従来の食品小売店、量販店、倉庫型クラブ、コンビニエンスストアなど、他の食品チャネルと直接競合するようになっています。また、他の小売業者を圧倒する価格設定と、有利な立地にある店舗ネットワーク(特にサービスが行き届いていない地方や都市部)により、他の小売業者には真似できない便利な体験を提供しています。この2つの特性により、今後数年間で、従来の食料品小売業者から市場シェアを奪うことになると思われます。 

 ・食品や消費財は一般的に利益率が小さいものの、動きが早く、一般的な商品よりも売り上げ密度が高いのが特徴です。買い物頻度の増加は、利益率の高い裁量的な商品を含む、すべてのカテゴリーで売上増を促進する機会を提供します。

 ・食品の高騰により、食費の予算をダラーストアで支出する割合が増えている消費者が増加しています。ダラーストアチェーンはこうした傾向を利用して、日常的な食品購入先として定着させることができるでしょう。一方で、課題としては、食品の品揃えを充実させて購入額を増やし、消費者にとって価値のある、食事として十分な品揃えの幅を持たせる必要があるでしょう。

文=RxR Innovation Initiative

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