カルチャー

2023.02.20 13:00

NYアート集団のマンガのような「大きな赤いブーツ」が人気爆発

(C)BIG RED BOOT/MSCHF

MSCHF(ミスチーフ)というニューヨークのアート集団が発売した定価350ドル(約4万7000円)の赤いブーツが、瞬時にソールドアウトになり、転売サイトでは1000ドル(約13万4000円)を超える高値で取引されている。

「Big Red Boots(ビッグレッドブーツ)」と呼ばれるゴム製のコミカルな大型サイズのこのブーツは、NYファッションウィーク中に発売され、プロレス団体WWEのスーパースターのセス・ロリンズが試合中に着用したことでも話題となった。

さらに、ネットフリックスで人気の映画『Glass Onion: A Knives Out Mystery(ナイブズ・アウト: グラス・オニオン)』で注目の女優ジャネール・モネイや、モデルのサラ・スナイダー、NBAのオクラホマシティ・サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー選手など、何十人ものセレブがこのブーツを履いている姿を目撃されている。

TikTok(ティックトック)でも、このブーツの動画は数億回再生されており、Jaadieeと呼ばれる写真家が撮影した動画が注目を集めている。ミスチーフは、このアイテムを「現実世界のためのカトゥーンブーツ」と表現している。

ビッグレッドブーツは、人気アニメの『鉄腕アトム』や、『Dora the Explorer(ドーラといっしょに大冒険)』のキャラクターが履いていたブーツを思わせるという声も上がっている。このブーツは、2月16日から公式サイトでは350ドルで販売された。しかし、アクセスが殺到した結果、サイトはダウンし、二次流通市場では1000ドルを超える高値で取引されている。

アート集団を名乗るミスチーフは、防サビ材のような香りの香水や、重さが20キロ以上もある巨大な円形のシリアルなどの不思議なアイテムも販売し、どちらもソールドアウトになった。

2016年に設立されたミスチーフは、自らがアートやファッション、テクノロジーと資本主義をテーマにする「アート集団」だと述べている。彼らはかつて、量販店のターゲットやマットレス企業のCasperを顧客とする広告制作で収入を得ていたが2019年にその事業を停止した。

ミスチーフの創設者のガブリエル・ホエイリーはInsiderの取材に「現在は 自分たちの作品に全力を注いでいる」と語った。彼らがどのように資金を維持しているのかは不明だが、PitchBookのデータによると、ミスチーフは2021年のシリーズBラウンドで1250万ドル(約16億8000万円)を調達していた。

ミスチーフの活動は、さまざまな議論を引き起こしており、昨年はラッパーのリル・ナズ・Xと共同で、Nike(ナイキ)のシューズのデザインを基にした「サタンシューズ」と呼ばれるプロダクトを発売し、ナイキから著作権侵害で訴えられた

彼らはまた、人気ユーチューバーのMr.Beastと組んで、2755台のランボルギーニ(ただし、その大半は子ども向けのおもちゃ)を、それぞれ35ドル(約4700円)で販売するアプリを制作するなど、他のクリエイターとのコラボも行っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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