インドの航空市場では過去数十年、急成長する国内の経済や人口に惹かれて参入した新興勢が、撤退や破綻に追い込まれたケースがいくつもある。インドの航空市場は長らく潜在力はあると見られてきたが、タタはそこで実際に利益を生み出そうと数百億ドル(数兆円)規模の巨大な賭けに出た格好だ。
インドのフラッグキャリアであるエア・インディアは国営時代に赤字が続き、タタが2022年、政府から24億ドル(約3200億円)で買収した。エア・インディアの14日の発表によると、ボーイングから220機、エアバスから250機を調達する。1度の航空機調達数としてはアメリカン航空による2011年の460機を上回り、過去最多だ。金額は公表されていないが、大幅な値引きがあったとしても数百億ドルに達するとみられる。
もっとも、相当傷んだ状態にあるエア・インディアの財務をタタが建て直せなければ、すべての注文が実行されることはないだろう。エアロダイナミック・アドバイザリーの航空コンサルタント、リチャード・アブラフィアは「これらの機材をすべて取得するには彼らのビジネス戦略が奏功する必要がある」との見方を示す。
タタはグループに複数の航空会社を抱えるが、現在の運航機材数は合計で230機にとどまる。したがって、470機という調達はタタにとってかなり野心的な成長プランということになる。タタは、シンガポール航空と合弁のフルサービスキャリアであるVistara(ビスタラ)とエア・インディアを合併させるほか、格安航空会社(LCC)のAirAsia India(エアアジア・インディア)とAir-India Express(エア・インディア・エクスプレス)を統合させることにしている。