トルコはなぜ親日国なのか。大地震での助け合いも

日本時間の2月6日10時17分、トルコ南部のカフラマンマラシュ県を震源とするマグニチュード7.8の地震が発生。その約9時間後にも、マグニチュード7.5の地震が起きた。

アメリカの地質調査所は「この地域において、100年間で最も強い地震の1つ」だと分析している。

日本を含む世界中で大きなニュースになっているが、実際にどれくらいの被害が出ているのだろうか。

被害の状況


ロイター通信によると、2月16日現在、トルコとシリアの両国を合わせると4万人以上の死者が出ている。このような状況を受け、欧米やウクライナ、ロシア、中国など世界各国からの支援表明があった。

日本も、6日の午後11時ごろに国際消防救助隊の第1陣が現地に向けて出発。第2陣もそれに続き7日に出発した。

トルコと日本の関係


日本では「トルコを救いたい」という声が多く上がっており、信頼関係の強さが感じられる。みなさんも、1度はトルコが親日国だと聞いたことがあるのではないだろうか。

実際、2012年に外務省が行った調査では、トルコ人の83.2%がトルコと日本の関係を「友好関係にある」「どちらかというと友好関係にある」と回答した。

両国はどのようにして信頼を築いたのか。日本とトルコの関係の深さがわかる3つの出来事を紹介していく。

エルトゥールル号遭難事件

日本とトルコの関係は、19世紀末までさかのぼる。

1890年、日本との平等条約の促進や小松宮彰仁親王殿下のトルコ訪問に対する返礼などの目的で東京に来ていたトルコの使節団が、和歌山県沖で台風に遭遇して大事故となった。

和歌山県の大島の島民は、事故で海に投げ出された船員を不眠不休で捜索したり、引き上げたり、介護したりしたそうだ。

船に乗っていた656名中69名しか生存できなかったが、この出来事はトルコ国民に心から感謝された。

イラン・イラク戦争時に日本人を救出

2つ目は、1985年のイラン・イラク戦争での日本人の救出である。

当時のイラク大統領は、イラン上空を通る飛行機を無差別に撃退すると宣言し、多くの日本人がイランに取り残された。

日本政府が救援策を打ち出せず悩んでいる中で、危険を顧みず日本人を助けに行ったのがトルコだった。

「エルトゥールル号の時に受けた恩を返す」との思いで日本人を助けに向かったそうだ。
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文=エシカルな暮らし編集部

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