起業家

2023.02.06

仕事はもっと楽しくなる。「できる」に近づける、営業力強化ツール

ナレッジワーク創業者の麻野耕司

麻野耕司が変えたいと思っているのは、世の中に染みついた「労働は苦役なり」という観念だ。

前職のリンクアンドモチベーションでは、一社一社に対して組織人事のコンサルティングを行い社員の意欲向上を働きかけてきたが、本当に世の中を変えるなら、もっと広い範囲に一気に大きなインパクトを与える「プロダクト」の発明が必要だと考えた。そこで麻野は、2020年に起業。22年4月に、まずは営業職向けのセールスイネーブルメントクラウドサービス「ナレッジワーク」を正式にローンチした。

営業職は、労働人口の10%以上を占める一方で、生産性が低く、仕事に対する満足度も低いといわれる。「そんな営業職のイメージを塗り替えたい。このプロダクトでは、ボトルネックだった商品資料や提案書などのナレッジ共有がひとつのツール上ででき、学習プログラムや商談管理システムなどを通して成果創出までの包括的なサポートを目指す」。

ベータ版の提供開始から2年が経つが、すべての顧客が利用を継続し、解約はゼロ。将来は、営業職だけでなく、各職種に向けて「仕事ができるようになる」「仕事が楽しくなる」ためのツールを開発し、拡大していく予定だ。「昨日できなかったことが今日できるようになれば、仕事は楽しくなる。最終的には、遊・学・働の融合状態を目指したい」。


あさの・こうじ◎1979年生まれ。大学卒業後、リンクアンドモチベーション入社。「モチベーションクラウド」の立ち上げ、同社取締役を経て、2020年ナレッジワーク創業。

text by Kana Mitsui photograph by Shunichi Oda

この記事は 「Forbes JAPAN No.101 2023年1月号(2022/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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