起業家

2023.02.03

日本の起業家ランキング みずほ賞

エレファンテックの清水信哉(左)とestieの平井 瑛(右)

Forbes JAPANが主催する「日本の起業家ランキング」のパートナー企業であるみずほ銀行が、ランキング評価委員会による審査とは別に、同社の独自審査によって「みずほ賞」を選出した。


IT部門

estie 平井 瑛 代表取締役CEO

設立:2018年12月
資本金:1億円
従業員数:63人
事業内容:オフィスを中心とする商業用不動産業界におけるデータ流通の課題を解決し、業界の取引をなめらかにするプロダクトを開発・提供。主要サービスである不動産データ分析基盤「estie pro」は、物件情報や空室情報、募集賃料、入居テナントなど、オフィス賃貸業務に必要なすべての情報が揃い、大手ディベロッパーや管理会社、資産運用会社など幅広い不動産事業者の意思決定をサポートする。

Deep Tech部門

エレファンテック 清水信哉 代表取締役社長兼CTO

設立:2014年1月
資本金:1億円
従業員数:83名(2022年10月1日時点)
事業内容:「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」というミッションのもと、既存製法に比べてCO2排出を77%、水消費を95%削減できるインクジェット印刷による電子回路製造技術の実用化・普及に挑んでいるスタートアップ。6年間の基礎研究を経て、2020年に環境負荷の小さいフレキシブルプリント基板(FPC)「P-Flex」の量産に成功。グローバル展開を目指している。

みずほ賞の選考にあたり、「イノベーティブな事業に挑戦し、経済・社会に大きなインパクトをもたらしているか」という点を重視し、ITとDeep Techの観点から活躍する2社を選出しました。

IT部門は、急速に進展する産業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の潮流を踏まえ、産業課題解決への貢献度やビジネスの成長可能性に着目し、審査を行いました。一方、Deep Tech部門の審査は、サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)が経営戦略の前提となるなか、環境や社会課題へのインパクトの大きさ、テクノロジーの優位性、ビジネスモデルの持続可能性に重点を置きました。

IT部門で選出したestie(エスティ)は、「産業の真価を、さらに拓く。」というパーパスのもと、世界最大級、10兆円規模以上の巨大な日本の商業用不動産市場に対し、不動産データ分析基盤「estie pro」を提供。50以上のソースからなる非公開情報を統合しながら、複雑な不動産情報の構造化と業界の効率化に挑戦しています。

商業用不動産は価値創造の場であり、企業の立地戦略は競争力を左右しうる重要な意思決定が必要となるもののひとつです。また不動産オーナーにとっては、物件売買、賃貸戦略こそが事業価値の源泉です。しかし、網羅的なデータベースが存在しないことから、情報収集や煩雑な事務手続きに追われ、迅速で効果的な意思決定を阻害する要因となっています。
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文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.101 2023年1月号(2022/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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