起業家

2023.02.03 15:00

日本の起業家ランキング みずほ賞

エレファンテックの清水信哉(左)とestieの平井 瑛(右)

そのなかで、estieは複数のデータをクレンジングして一括処理・提供する技術をもとに、データの収集、理解、補完と統合、整形の観点で優位性を築いています。リリース2年足らずで大手ディベロッパー、運用会社、プロパティマネジメント会社など幅広い業種のプレイヤーから契約を獲得している実績と巨大産業のトランスフォメーションの担い手としての成長性を高く評価しました。
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情熱と冷静を併せもち、「強くて優しい」平井社長のもとへ、商業用不動産業界の特性やテクノロジーの知見が深い優秀なメンバーが集い、独自のカルチャーを皆で育てながら、会社も人も成長していると感じています。今後、不動産DXの雄として、次世代のインフラ企業に飛躍していくと期待しています。

Deep Tech部門で選出したエレファンテックは、「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」というミッションを掲げ、インクジェット印刷と銅メッキを用いた環境にやさしい独自製法で、フレキシブルプリント配線板(FPC) 「P-Flex」を製造・販売しています。

昨今では、サステナビリティ経営が前提となり、経済性だけでなく、産業・社会へのインパクトを考慮した次世代のものづくりが注目されています。一方、経済合理性が前提にあり、大量の資源・エネルギーの消費、一定の廃棄物の排出はやむをえないという製造業の抱える事情も深刻です。
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そんななか同社は低環境負荷・低コストの革新的な「金属インクジェット印刷技術による回路基板」の量産化に成功。14年の創業以降、6年間の基礎研究を経て、他企業や組織体では実現しえなかった独自製法を確立し、「死の谷」を超えて量産プラントが稼働、高い品質での製造を続けている実績を高く評価しました。

これはまさに、清水社長を筆頭とする多様な経営メンバーの柔軟なかじ取りのもと、コア・テクノロジーの強みを最大限に生かしてきたビジネス戦略の賜物です。特に大企業とのアライアンスを通じ、世界市場への展開を見据えた事業モデルを確立・進化させている点は目を見張ります。国内外のトップ企業と取引を拡大し、日本発のグローバル・カンパニーに飛躍していくと期待しています。

みずほは今後も、課題先進国の日本をアップデートし、次世代を担うリーディング・カンパニーのビジネスパートナーとして、挑戦する起業家に伴走し、ともに日本の経済・社会の発展に貢献していきます。

大櫃直人◎みずほ銀行 常務執行役員 リテール・事業法人部門 副部門長。1988年現・みずほ銀行入行。本部法人営業、営業店長などを経て、2016年イノベーション企業支援部長、18年執行役員、22年より現任。年間1000社(一日平均4、5社)以上の経営者と面談し、企業の成長支援をライフワークとして、日本の将来産業の育成に日々挑戦している。

文=フォーブス ジャパン編集部

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