「動物の幸福と社会の幸福の両方をカバーする幸福達成目標は、動物の繁栄に努力するインセンティブを動物園に与え、自然との意義のあるつながりを提供することで動物園の仕事に関わる人たちにも良い影響与えます」とローズ博士はツイートした。
そして軽視すべきでないのは、都市部の人口密集地域に住む多くの人たちにとって、動物園は真の自然界と接する唯一の場であるかもしれないという事実だ。
「私たちが自然界について学び理解するためには、動物園のような環境保護の場が必要であり、私たちが教育を受けるためには、動物園の目的として、社会や地域コミュニティとの有意義な繋がりを増やす必要があります」とローズ博士が声明で語った。
ローズ博士らは、動物園が地域コミュニティや社会の行動全般に与える影響をさらに研究することで、動物園の動物コレクションとそのニーズとの関連性を、人々のニーズや要求、理想と合わせてよりよく統合できるだろうと述べている。
動物園の代表的な強みの1つは、人々を魅了する生きた動物たちの展示と、創造的な教育メッセージとの組み合わせにある。たとえば動物園には、来場者に野生動物の保護に役立つよう影響を与え、行動を起こさせ、自分たちの振る舞いを変えることを促す機会がある。また、動物園の没頭的、自然主義的な展示を訪れることは、人間の健康と幸福感を生理的にも心理的にも改善する。
教育的メッセージがコミニュティに与える効果の評価や、動物園のメッセージが人間の行動を生物多様性や地球の健康、持続可能性問題などに向かわせるような影響を与えているかなど、やるべき仕事や調査すべき問題はまだまだたくさん残っている。
出典:Phillip J. Greenwell, Lisa M. Riley, Ricardo Lemos de Figueiredo , James E. Brereton , Andrew Mooney and Paul E. Rose (2023). The Societal Value of the Modern Zoo: A Commentary on How Zoos Can Positively Impact on Human Populations Locally and Globally, Journal of Zoological and Botanical Gardens, 4(1):53-69 | doi:10.3390/jzbg4010006
(forbes.com 原文)